御茶会 ページ4
「お前の目的はなんだ。態々こんなに勇者を集めて、まさか本当にただの御茶会をしたいとか言わねぇよな？」
武器を構えたまま、クリスが言う。
「ははは、流石一流の勇者様です。……それでは、御二方もあの席にお着き下さい。この御茶会……いえ、この
エリックは背後にある階段を登り、椅子に座る。
僕達も彼の指示に従い、他の勇者達がいる大きなテーブルへ座った。
正直魔王の指示など聞いても良いことは無いと思ったのだが、クリスが「目の前にいるのは魔王だ。下手したらすぐ殺される。指示に従おう」と珍しく冷静な判断をしたのでクリスの発言を呑み、椅子へ座った。
「この遊戯は貴方々に私を殺す
慣れた口調でエリックは説明を始めた。周りにいる勇者達は信じられない、と言いたげな表情をしている。
「一応、手下の人数をお教え致しましょう。……合計3名。全員を殺さなければ私を殺す権限は与えられません」
説明に疑問を抱いたのか金髪の青年が手を挙げた。
「……おや、どうされましたか？ロディ様」
ロディと呼ばれる青年は「質問なんだけど良いかな」と口を開く。エリックは「どうぞ」と微笑んだ。
「手下を殺すって言ってもさ、ここには名も知れ渡る様な手練が多いんだよ？……今すぐにお前を殺す事だって可能だと思うんだけど」
冷たく言う彼にエリックは小さくため息をついた。
「確かに皆様の目に敵は私1人しか写っていないのかも知れません。……が、先程申した通り皆様の中には3人私の味方がおります。それだけでなく、ここは私達の領域。1歩間違えれば貴方々の何百倍という数の魔物が此方に押し寄せる事をお忘れなく」
その言葉を聞き、軽くエリックを睨むロディ。
その圧等感じられないかの様にエリックは笑顔を崩さない。
「他に質問は御座いませんか？」
その問いに誰も答えない、ただ静かに座っているだけだった。
「それでは遊戯を始めましょう……と言いたい所ですが、此方にも都合というものが御座いますので、遊戯を始めるのは明くる日から……今晩までは皆様ごゆっくりお休み下さい。くれぐれも問題等起こさないように」
そう言うとエリックは姿を消した。
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作者名：たまご | 作成日時：2019年8月14日 9時
