二百四十話 ページ14
鬼兵隊相手に命の危険を感じるのは二回目だ。
もうなんか憑いてんのかな、死神的なのが肩に。
伊東「それじゃあ後は頼んだよ、万斉殿」
「………」
伊東くん達はそう言って背中を向け去っていった。
となるとここには私と河上の二人きり。
とにかく、とにかくなにかないか。
余裕を持っていられるのも河上が刀を振り下ろさない今のうち。
人斬りに対抗する術がないか地面を探る。
そうしていると、私の視界に一つの刀が入った。
『__っ‼』
河上が刀を振り下ろしたのでとっさに刀身を抜いて受け止める。
もしかしてだけどこの刀、似てるけどあの黒髪くんの?
引っ掛かることはあるがまずは目の前のことだ。
腕に力を入れて河上の刀を弾き返す。
このままじゃ不利なので立ち上がって半歩下がった。
河上「ふむ、独特な音だ」
は、音?今度は河上が言っている意味がわからず二歩下がった。
とりあえず不慣れだがこの刀を使わせてもらうことにしよう。
これならなんとか行ける。
河上「ぬしは紅桜の時の…会うのは二回目でござろうか」
『いいや、初対面さ。お互い顔は見たことあったかもだけど』
河上と話しながらも少しずついつもの調子を取り戻す。
うん、痛みもそこまで酷くない。息も整ってきた。
『それと一ついい?』
そうとなれば次はこっちのターン。
刀を構える。
『人と話すときは』
相手の方向に走り近づいていく。
そして河上の目の前で刀を振るった。
『ヘッドフォン外しな』
刀は受けられたがそこは想定の内。
切っ先を七時の方向から一時の方向へ動かしたあと手前に引く。
それによって河上の左腕から血が垂れた。
河上が反撃しようとしたがそれをまた受け止める。
だが一歩下がるときに横腹を斬られた。
河上「ぬしは、なぜそんな音を奏でる」
『え?』
また音?意味がわからない。私は音なんて出してないし…。
それとヘッドフォンはそのままつけるんだね。
『うん、特殊な耳持ってるようだけど聞いてる?無視は堪えるんだけど』
河上「あの時とはまた違う音、この音は……」
二回目の無視ですか河上さん。どんな教育うけてんの。
それとも最近の若者はみんなこんな感じなのか?
そんなことを思っていた私に放たれた言葉は、私の心を見透かされたようなものだった。
河上「なぜぬしは、そんなにも死にたがる」
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たこわさび - めぐぽん(*´・∀・)さん» こんにちは、一気見していただきありがとうございます。本作品は恋愛要素がゼロに等しいですがそこまで読める何かがあったと思うと嬉しいです。新ジャンル開拓のお手伝いになれればと思います。 (2023年3月2日 23時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - こんにちは^_^一気見させて頂いてます。正直、恋愛ものが好きだったのでここまで読めると思いませんでした。楽しいです。 (2023年3月2日 18時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
たこわさび - ふじゆずさん» 銀魂を読み返してくれるきっかけになったのなら嬉しいです!こちらこそありがとうございます‼無理しない範囲で更新続けていきますね! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
ふじゆず(プロフ) - すっごい面白いです!!(語彙力)この作品見て久々に銀魂読もうと思いました!!ありがとうございます!!(?)無理しないでください!!ありがとうございました!!(?) (2022年11月5日 21時) (レス) id: af6d5fb7bc (このIDを非表示/違反報告)
たこわさび - さちさん» コメントありがとうございます!更新を楽しみにしていただけて光栄です。これからもがんばります。 (2022年11月4日 22時) (レス) @page10 id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たこわさび | 作成日時:2022年10月25日 18時