百七十一話 キャバクラ篇 ページ37
部屋で隊服を脱ぎ私服に着替える。
鏡の前で一回転などしない可愛げのない女だが最低限身だしなみを整える。
すっかり延びた髪を結ぶ。
なぜ私服になったかというと今日の仕事は午前のみ。
妙ちゃんが働いているキャバクラにお邪魔するという約束があったので近藤さんに懇願したら休みにしてもらえた。あの人妙ちゃん関係に弱いんだよな。
何やら今日は屯所内が騒がしいがもう上がった私には関係のないことだ。
門を出て、お土産を何にするか考えながらキャバクラ「すまいる」に向かった。
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結局キャバクラなので手土産はいいかという結論にいたり手ぶらですまいる前に着いた。
そっと出入り口のドアを開けて最初の通路のようなところを抜けていく。
階段を降りると、そこには腕を組んでいるグラサンをかけた不審者がいた。
「お、あの子いいじゃん!
顔はそこまでだけどアレぐらいなら引き立て役にぴったりだし、知り合い?」
「いや、アイツはやめた方がいい。顔も残念な上に性格も最悪だ。
例えるならドリアン」
『ドリアンで殴るぞ』
入店直後にさんざんな言い様。不審者も銀時もどっちも私に失礼すぎる。
万事屋、神楽ちゃんと新八くんだけ残して去ってくれないかな。
冷静になり店内を見回すと万事屋と不審者と妙ちゃん、あと二つ結びの黒髪の女の子とバスタオルを身体に巻いた変人しかいない。…一人柳生にいなかった?
妙「あ、Aちゃん!」
さっきの掛け合いで私の登場を認識した妙ちゃんがこちらへ向かって歩いてきた。
眉を下げて不安そうな顔をしている。強盗かなんか入ったのかな。
妙「いきなりで申し訳ないんだけど、キャバ嬢になってくれるかしら」
『え?』
キャバ嬢?人が足りなかったってこと?あ、それで最初の会話?
妙ちゃんの頼みは低姿勢で理想的だが少しばかり圧を感じる。
『いや、え、でも』
妙「ふふ、キャバ嬢いいですよ。
ただ男性とお話しするだけでガッポガッポ稼げるんですもの」
渋る私を妙ちゃんが強制的に引きずり裏のメイク道具や衣装がある場所に連れていかれた。
妙「Aちゃんってノーメイクでしょう?
だからずっとメイクさせたらどんな風に化けるか気になってたんですよ。
はーいじっとしててくださいね」
『待って妙ちゃん!私やるなんて一言も行ってない‼』
なんとか抵抗しようとする。
だが私の必死の訴えは残念ながら、妙ちゃんの耳に届かなかった。
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たこわさび - さーもんさん» 毎回詩織ちゃん達を動かしている時はこんな感じで大丈夫かな?と手探りで書いている状態なので好きと言っていただけるのは嬉しいです!これからも更新がんばります。 (2022年8月17日 21時) (レス) @page24 id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
さーもん(プロフ) - 更新楽しみにしてます!詩織ちゃんもオリキャラもストーリーも好きです! (2022年8月17日 18時) (レス) @page23 id: 2dc02ddd04 (このIDを非表示/違反報告)
たこわさび - 3日で全部!そんな一気に…ありがとうございます!拙いところもありますが楽しんでいただければ幸いです。 (2022年7月31日 22時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
にくまん - 3日で全部読みました。とても面白いです!更新楽しみにしてます!! (2022年7月31日 19時) (レス) @page5 id: 4f984dbf4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たこわさび | 作成日時:2022年7月26日 15時