百七十話 ページ36
結局両者譲らず割り勘になり、今は公園のベンチで二人ジャンプを読んでいる。私が右端を持ち青服は左端を持ちながらページをめくっていく。
『あ、今週インダルドベだ』
「インダルは前回のキャッチングパーク篇が長すぎたからな」
ジャンプもあと数ページに差し掛かったところ、「インパクトダルメンス」略して「インダル」の掲載順について呟いたらそれに青服さんが反応した。
もしかしてコイツジャンプに掲載されてる漫画全部読んでる派か？
『でも好杉いいキャラじゃなかった？』
ためしにカマをかけてみる。好杉は読み込んでいないと中々出てこないマイナーキャラ。
さぁ、どう反応するか。
「いやー好杉が最後死んだのは惜しいよな。
キャラもたってたし俺マジで仲間になるかと思ってたもん」
好杉のことを知ってる。これガチで読み込んでる人だ。実は好杉私も相当好きだった。
ついコンビニでバチバチしたことを忘れ、好杉について語る。
『でも端役としては最後の回想シーンの力の入れよう半端なかったよね』
「あぁ、あれはぽっと出のキャラだろうがモブだろうが大切にするハマチ先生の特徴が出てたよな」
ジャンプを読み終わり閉じる。
だが私も青服さんも動かない。ベンチに座ったままジャンプ語りを続ける。
『やっぱそこがインダルの長所だよね。人が死ぬ漫画だけどキャラクターをちゃんと大切に扱ってて。
ショウクロウ篇でも、バズルに巻き添えで殺された人の胸ポケットから家族写真が入ったロケットペンダントが落ちててそこで私インダル好きになったもん』
「え、お前あれに気づいてたの？
気づいてる奴周りにいなくて今まで語り合える奴いなかったんだけど」
『え！アンタも気づいてたの⁉
私もそれ気づくの相当なファンだけだって言われて共感してくれる人がいなくて…』
ジャンプが共通点となってか話が合いまくる。
最初の悪印象が嘘のようだ。
そこで私達は心が通じ合った。
「『インダル、いいよな/ね』」
インダルの感想がハモる。それに反応しお互いの顔を見つめた。
青服さんが話しかけてくる。
「お前名前は」
『山南A』
私が名前を言い切ると青服さんが立ち上がりこう言った。
「俺は服部全蔵。このジャンプはおめェにやる。
次もし会ったら、インダル以外でも語り合おうぜ。じゃあな」
全蔵さんが振り返らずに後ろ手で手をふり去っていく。
それを見送りながら、私はジャンプを力強く抱き抱えた。
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たこわさび - さーもんさん» 毎回詩織ちゃん達を動かしている時はこんな感じで大丈夫かな？と手探りで書いている状態なので好きと言っていただけるのは嬉しいです！これからも更新がんばります。 (2022年8月17日 21時) (
レス) @page24 id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
さーもん(プロフ) - 更新楽しみにしてます！詩織ちゃんもオリキャラもストーリーも好きです！ (2022年8月17日 18時) (レス) @page23 id: 2dc02ddd04 (このIDを非表示/違反報告)
たこわさび - ３日で全部！そんな一気に…ありがとうございます！拙いところもありますが楽しんでいただければ幸いです。 (2022年7月31日 22時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
にくまん - 3日で全部読みました。とても面白いです!更新楽しみにしてます!! (2022年7月31日 19時) (レス) @page5 id: 4f984dbf4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たこわさび | 作成日時：2022年7月26日 15時
