四百七十六話 ページ7
金時「それで兄弟よ、仕事の方なんだが…。
奥さんをこらしめたいのかそれとも不倫相手にケジメつけさせたいのかどっちなんだ」
あのまま居座ると邪魔になってしまうので金色に染まった街を歩きながら依頼について話す。
といっても解決して欲しいとかじゃなくて九割旦那の愚痴なので、詳細を求められてもボロが出るだけだろう。
穏便に済ませたいがまず私の制止の声は旦那の耳には入らない。
拘束具として一応手錠はあるが手荒なことはしたくないし、手錠を出して変に素性を探られるのも好ましいとは言えないしな。
銀時「………どっちでもねーよ」
金時「え?じゃあ何がしてーんだい」
銀時「…そんなことより、コレちょっと見てくれねーか」
金時「ん?」
もやもやと悩んでいると旦那が不意に坂田金時の視線を彼の手元へと注いだ。
何があるんだろうと私もつられて反対側から覗くとガラケーのこの時代にそぐわない、スマートフォンが目に入った。
雲行きが怪しいが画面には青と白色のサイト?が開かれている。
そして坂田金時が手元を覗き込んだのを確認してから、旦那はそのスマホで思いっきり坂田金時の後頭部を殴った。
銀時「ヒロ可愛11シリーズドーン‼」
メタイ一言と共に。
銀時「ああゴメン約五百五十話もあるから重くて手がすべったァァ!
三百六十話以上も本編あるからかさばっちゃうよな‼一年以上もやってんだからな‼」
詩織「旦那ァァァ!何さらっと長寿自慢してるんですか‼
更新速度遅くなってきた今もうそれ使えませんから‼
そしてその略称使ってるの多分私達だけです‼」
『スマホだから100シリーズ続いても重さ一緒じゃない?』
相当頭にきているらしく何度も繰り返し坂田金時を殴り続ける旦那に、私にはこれしかできないととりあえずツッコミを入れる。
冷静なAさんの指摘に背中を刺されつつも神楽ちゃんt新八くんの司会を塞いでいてくれることに
ありがたく思った。
脈略もなくAさんを殴ったときに比べればマシか?
けれどこの場合会ってから時間がたってるのでAさんの時みたいな言い訳は通じない。
もういっそのこと旦那がプロのもぐら叩きプレイヤーだとでも言うしか…。
銀時「3年Z組銀八先生7巻ドーン‼」
『ガフッ』
そう思考を巡らせていると、追い討ちをかけるように次はAさんの頭に単行本を打ち付けた。
…アニメ化しますからね!
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作者名:たこわさび | 作成日時:2023年10月9日 22時