百九十話 ページ10
『ちょっ、もうちょいそっち行けよ』
山崎「いや、これ以上動いたらはみ出ちゃうから」
あの出来事から数日後、土方の言う通りお姉さんが入院している大江戸病院のお姉さんのベッドの下で声を潜めながら話す。いわゆる密偵って奴だ。
今のところ怪しい動きはない。
ミツバ「スゴイ、ホントに依頼すればなんでもやってくれるのね」
ザキとベッド下のスペースをめぐり争っていたが、お姉さんの声で部屋の入り口の方向を向く。
銀時「万事屋だからな。オラ、食い過ぎんなよ。痔に障るぞ」
ミツバ「あなた、私が痔で昏倒したと思ってるんですか」
隙間から覗くと銀時がいた。
手には激辛せんべえを大量に持っているのでお姉さんの依頼だろう。
銀時「オイ、おめーらもどうだ?バナナとかもあるぞ」
山崎「いえ、結構です。隠密活動の時は常にソーセージを携帯しているので」
『んまい棒も忘れんなよ』
銀時がバナナの皮を剥きながら床下へ視線を投げる。
それに反応してザキと私がベッド下からソーセージとんまい棒を持った手を出した。あれ?
ミツバ「………アレ、山崎さんと山南さん?なんでこんな所に」
山崎、山南「『しまったァァァァァァ‼』」
隠密活動なのに思いっきり銀時と会話してしまったことに今更気づく。
ザキが銀時に蹴られているのをよそに反対側の隙間からベッド下を脱出した。
銀時「んで、そんなとこで何やってた」
お姉さんのベッドの右隣に立って頭に乗ったホコリを振り払う。
銀時が私に向かってそう言うがお姉さんには言えない内容。またもぼかす。
『えーっと、かくれんぼ』
銀時「鬼は?」
『………土方』
かくれんぼは密偵、鬼は密偵を命令した者という意味で言う。
それが伝わったのか、銀時が真剣な表情でこう言った。
銀時「なるほどね」
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銀時に本当のことを伝えるため場所を移動し病院の屋上へ。
前置きをすっ飛ばしていきなり本題に入る。
『実はお姉さんの婚約者が攘夷浪士と武器の闇取引してんだよね』
銀時「それ、本当か?」
銀時が私に軽くにらみをきかせた。
知り合いの婚約者がこんな風に言われたらそうしたい気持ちもわかる。
山崎「はい、港付近の監視カメラを見てみると頻繁に港に出入りしている様子が確認できました」
あの後調べたらビンゴ。怪しい行動が大量に出てきた。
やっぱりコレ、真選組にツテが欲しいだけだよね。
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たこわさび - ミスティさん» 好みだなんてそんな…嬉しい言葉ありがとうございます!更新は無理のない程度でやっておりますがそのような言葉をいただくとやはり心にくるものがあります、ありがたいです!無理のない範囲でやっていこうと思います! (2022年10月3日 22時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
ミスティ - この小説を読ませて頂いてますが、自分好みの作品でめちゃ好きです!更新頑張って下さい!!応援していますが体調にもお気をつけて下さい!無理なさらずに、、 (2022年10月3日 17時) (レス) @page26 id: bd5baed227 (このIDを非表示/違反報告)
たこわさび - ラウトさん» 「ワクワクが止まらない」と言っていただきありがとうございます。毎日楽しみにしていただいていることが分かりとても嬉しいです!これからも更新がんばります! (2022年9月11日 23時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
ラウト - 毎日お話の更新お疲れさまです。毎日「今日はどんな話を見れるのだろう?」とワクワクが止まりません!!忙しいと思いますが、これからも更新頑張ってください。応援しています!!! (2022年9月11日 23時) (レス) @page5 id: 698653cd83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たこわさび | 作成日時:2022年9月8日 22時