二百十八話 ページ38
沖田「Aさん、Aさんはずっと酒飲んで吐いてたらしいでさァ」
『……お仕事は?』
否定できない部分もあるがさすがに言い過ぎだ。
確かに婦女誘拐事件のときとか飲んでたし、柳生家に行くときは二日酔いだったけどそこまでではない。旦那がこの調子なので私と総悟で出せる話を出すしかないか。
詩織「いや、そんなにお酒ばっか飲んでませんって。
例えば…ゴボウを持って戦地に出向いたり、お吸い物目掛けて滑り込みをしてたりとか?」
沖田「後は掛け軸の裏に隠れようとしたりですかねィ?」
銀時「ああ、あと俺にどろっどろになった千歳飴渡してきたこともあったよな」
今までのAさんの行動を振り替える。記憶に残っているのはコレぐらいだがもっとしっかり思い出そうとすれば色々出てくるだろう。それを聞いたAさんが呟いた。
『どう生きていたらそんな行動をすることになるんですか?』
「「「それは俺/私が一番知りたい」」」
まぁ、旦那も総悟も似たような感じだけど。
にしてもコレでも思い出さないか。
話すより見せた方が早かったりしたら記憶を思い出すフックになるような人って…。
…やっぱ私の知ってる限りAさんと一番仲いいのは旦那なんだよな。
お互い下の名前で呼んでるし、気を許している感じが漂ってる。
詩織「とりあえずAさん、席変えましょうか」
少しでも旦那とAさんを近づけるために、とAさんと座る場所を交換する。
これでAさんの左に旦那、右に私という配置になる。
詩織「どうですAさん、旦那の隣になった気分は」
『いや、そんなこと言われても』
やっぱ近寄ったときの雰囲気とか匂いとかで思い出せないか。
だけれどそう言った後、Aさんはじっと旦那の顔を見つめた。
沖田「どうしやした?」
『い、いや。記憶がなんかここら辺まで来てて、もう少しで何か思い出せる気が…』
銀時「そこ脇腹だけど」
詩織「Aさん、その調子です!」
思い出せそうと言いつつ頭とは程遠いみぞおち辺りを示すAさん。
でもこのボケ、いつもの感じに近づいてきてる。
『あ』
そう溢して、大きく目を見開いた。
何かを取り戻したような、そんな顔をしている。
これはもしかして、そう期待した瞬間だった。
猿飛「なに銀さんと見つめあってるのよ‼」
さっちゃんがAさんの頭に蹴りをくらわせたのは。
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たこわさび - ミスティさん» 好みだなんてそんな…嬉しい言葉ありがとうございます!更新は無理のない程度でやっておりますがそのような言葉をいただくとやはり心にくるものがあります、ありがたいです!無理のない範囲でやっていこうと思います! (2022年10月3日 22時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
ミスティ - この小説を読ませて頂いてますが、自分好みの作品でめちゃ好きです!更新頑張って下さい!!応援していますが体調にもお気をつけて下さい!無理なさらずに、、 (2022年10月3日 17時) (レス) @page26 id: bd5baed227 (このIDを非表示/違反報告)
たこわさび - ラウトさん» 「ワクワクが止まらない」と言っていただきありがとうございます。毎日楽しみにしていただいていることが分かりとても嬉しいです!これからも更新がんばります! (2022年9月11日 23時) (レス) id: eddcdf4797 (このIDを非表示/違反報告)
ラウト - 毎日お話の更新お疲れさまです。毎日「今日はどんな話を見れるのだろう?」とワクワクが止まりません!!忙しいと思いますが、これからも更新頑張ってください。応援しています!!! (2022年9月11日 23時) (レス) @page5 id: 698653cd83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たこわさび | 作成日時:2022年9月8日 22時