ねぇ、先生? ページ18
GPS……位置的にもうすぐ………………
この曲がり角の先にいるのか。
……………!
『……え?』
思わず声を上げる。
そりゃあこの状況になれば誰でもこうなるだろう。
なぜなら_________
そこには琴乃はいなかったから。
GPSが示しているのはここのはず……。
………なんでだろう、嫌な予感がする。
バサッ
『っ!!あ…………び、びっくりした……カラスか……』
そういいながらしゃがんでカラスの頭を撫でる。
『いいね……。君は。空を飛べるってどんな気分……?楽しいかな、辛いかな。』
____その瞬間。
僕は誰かに"正面から"突き飛ばされ後ろに倒れ込む。
『しまっ…………!!………………え……』
そこには先程のカラスはどこにも…………その代わりに僕の目の前には琴乃がいた。
そこでハッとして気づく。
『能……力者…………?』
色々な生物になれる…………能力……
能力……
元殺し屋……
kt「……うん。隠しててごめんね。僕も元殺し屋…………まさか悠春月があそこに入るとはね。」
『………………琴乃先せkt「悠春月。もしかしなくても、"フユ"に…………僕を殺せって?」
フユ……?レイアのことか?
『フユ……?えっと……レイアに………………』
kt「……レイア…………容姿は?」
『深紫色の髪と…………橙色の瞳の少年……です。』
kt「そっか。ありがとう。……じゃあそろそろ終わらせようか。」
作戦。それは僕が死ぬ。
そうすれば琴乃は死なずに済む。
ギュッと目を瞑る。
………………が痛みはどこにもなく代わりに向かいから刃物が刺さる音が聞こえた。
_________まさか。
『っ……琴乃……………………先生………………!!!!』
僕はすぐさま傍に駆け寄る。
心臓部には刃物が刺さっている。
…………琴乃は何も言わないまま。
最後に見せてくれたのは笑顔だった。
死んだ。死んだんだ。
僕が殺した。
藍咲琴乃はもうこの世に居ない。
僕の命の恩人はもう……
『…………』
震える声でインカムの電源をONにして一言。
『任務…………完了しました……。』
僕はしばらくその場から動け…………動かなかった。
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作者名:ゆはる。 | 作成日時:2020年12月6日 22時