【ハイキュー】女の子達の争いを遠くから眺めるのが趣味です (ページ3)

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1話ページ3

「「「きゃーーーー！！！！及川さぁ～～～～ん！！！」」」

そんな体育館を埋め尽くす黄色い悲鳴に苦笑いを零しながら、私はギャラリーに紛れ込む。

申し訳ないけど、私の狙いは及川先輩ではなく。

有栖原「みなさぁ～～～ん♡休憩でぇ～～～す♡♡」

河田「ちょっ、勝手に持ってかないでよ……！！！」

『……来た』

よくあるぶりっ子の特徴を全て詰め込んだような、ドリンクを持ってレギュラー陣の元へ一直線に走っている女の子有栖原りまと、

その後ろを追いかける、どうにか有栖原を止めようと策略を立てているともっぱらの噂河田敦奈。

彼女たちはイケメンが集う青葉城西高校男子バレー部でどちらが本当のヒロインなのか競っているらしい。

私の狙いはこの2人である。

私はギャラリーの手すりに頬杖をつき、ぎゃあぎゃあ騒ぎ立てる2人とそれを引きつった顔で見守る男バレ部員に目をやった。

……

………………やば、めっちゃウケる。

いや、当の部員からすれば彼女たちはハタ迷惑なマネージャーに違いないんだけどさ！？！？ほらこの！！高校生にもなって！？！？幼稚な争いを！？！？必死に繰り広げてるんだよ！？やばくない？？？普通にめっちゃウケない？？？ほら見てよあの男バレ部員の引きつった顔！！真顔数名！肩を震わせてるの数名！！滑稽の極みだろ私はそう思う(真顔)

そう言ってる間にも、体育館では修羅場が続いていたようで、

あ～………ほら、ぶりっ子ヒロインさん泣いちゃったじゃん……………

ああいう子すぐ泣きがちだよね、わかるぅ～……

特に話し相手がいる訳でもないのに、私はうんうんと頷く。

すると、我が青城のプリンス(笑)及川先輩が、ぶりっ子ヒロインさんの肩に優しく手を置き、そのまま彼女と奥の方に歩いていく。

どうやら、泣き出したぶりっ子ヒロインさんを宥めようと部室までエスコートするようだ。紳士だね。ゎら

…………待って？ってことはもう今日はぶりっ子ヒロインvsモブインの上映終わっちゃったってこと？？？？？(映画みたいに言うな)

『今日はもうちょい長引くかな～と思ってたのに、つまらんな。』

嫌味っぽく小声で呟いて、名残惜しいが仕方なく体育館を後にした。

その私の姿を男バレ部員の1人が見ていたなんて、気づくはずもなかったのだった。

？「…………」