2人でひとつ【rb】#2

15-3.＿＿＿ ページ37

貴方side

『っわかった。』

殺して忘れてしまう位なら、一生心に残そう、この出来事を。

???「ありがと」

安心したようで、声が小さくなる。

『その前に、名前教えて？』

???「俺、は、06。Ω国の隠密処理員だよ」

『違う。本当の名前だよ。君の本当の名前。』

???「俺には、名前なんて」

『せめて、っせめて！君の事を忘れたくないの！
私の手で殺してしまっても、君の事だけは、忘れたくないの！』

忘れたくない。
この人だけは、どうしても忘れたくない、と
何故か思ってしまった。

???「っ君は、本当に不思議なひとだね」

『笑っている場合じゃないでしょ…？』

???「…アダルフォ、俺は、アダルフォ、だ。」

『アダルフォ、アダルフォ、っありがとう。今まで、頑張ってくれて。』

ad「こっちこそ。お兄さん、絶対に、探し出してね。」

『うん、任せて…』

ad「最後に、いいかな、？」

アダルフォの、苦しそうな、か細い声が僅かに聞こえる

『うん、』

ad「俺と


友達になって、くれないかな…？」

『っ！うん、なるよ、なるっ。
アダルフォ、君とは友達だよ。大親友だ…！』

────────
兄ちゃん、新しい友達が出来たよ



兄ちゃん

初めて、大親友が出来たよ。
────────

ad「うれしいな、俺、友達とか、いた事なかったから凄く嬉しい、しかも、大親友だ」



嗚呼、神様

運命とは

どうしてこんなにも

辛いのでしょうか



どうして神様は

私にこんな酷い事を

させるのですか…？


どうして私から

大切な人を

奪っていくのですか…？


『殺さなきゃなのに、こんなこと言われたら殺せないじゃない…』

ad「ごめんね、でも、俺初めての大親友が、君で良かったよ」

『ごめんなさい、私、』



ad「A」



『！』

ad「君はこれから、俺を殺す、
けど、それは悪い事じゃない。
俺が自ら望んだ事だ。だからどうか、

自分を、責めないで、くれ」

『でも、』

ad「いいんだ、A。ほら、そろそろ、
俺も限界、だよ。」

『っごめんなさい…』

ad「ごめんじゃなくて、もう、サヨナラでしょ？
最後くらい、君の笑顔見せてよ」

笑顔…

ad「ほら、これ、外して、顔見せてよ」

『っ、こう？』

ad「はは、変な顔



じゃあ、そろそろ、時間だよ、A」

覚悟は
決まった。

『アダルフォ、今度、"逢い"に行くね。』

da「暫く君には、"逢い"たくない、かな」
────────

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