2人でひとつ【rb】#2

15-2.＿＿＿ ページ36

貴方side

『あまり、ネガティブな言い方は柄じゃ無いんだけど。』

???「殺してくれないの？」

『っだから！そういうのが嫌なの！殺すんじゃなくて、話を聞くの！本命はこっち！』

???「っふ、わかったよ。じゃあ、何でここまで君にするか…だったよね。」

そして、目の前の人物は、毒のせいで乱れる息を整えてから話し始め、出来事を話し始めた。

???「俺は、孤児院の出身だった…我々国のね。
最初は平和だったけど…俺が7歳ぐらいの時かな？
詳しいことは覚えていないんだけどさ、
実はその孤児院、Ω国の国家組織で、人体実験をやってる所だったんだ。」

『私と一緒だ』

確かに、私のいた孤児院も、国で人体実験をしていた施設だった。

???「まぁ、そこで俺は色々と薬とか色々と入れられる訳で、散々苦しんでたワケよ。

…でもそんな中、自分だって痛い思いしてんのに
俺に向かって"痛いやろ…でも、俺が必ずここから出したるから、今は我慢しとってな"って言ってたヤツがいた。」

『一体それになんの関係が…』

???「その人なんだよ、君のお兄さん。」

『！？』

???「妹を助けるんだって言って、ついでに出してやるって約束してくれた。そのお陰で、俺は今生きてる。」

『！そんな事が』

???「まぁ、その後解放されたは良いモノの、現時点でその国に捕まってるんだけどね…。」

自虐的に笑うその顔には、汗が滲み、取れたフードから見えた目には、薄く涙が張っていた。

???「っもう時間だ。さ、殺して。」

『そんなの、出来ない、出来ないって…』

???「…君が、俺の立場の時、同じ事するだろ？憎んでる国相手に、殺されたく無いだろ？」

出来ない。
折角兄ちゃんが紡いだ命を絶つ事なんて、出来ない

???「俺、毒で、死んじまうよ…？」

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