6-5.___ ページ26
「ま、まて。落ち着け!"0969"!
チッ、クソっ!おい!此奴は失敗作じゃ無かったのか!誰か!おい!」
許さない。
許さない。
許さない。
許さない。
______ユルサナイ。
俺は院長の上に跨り、首を絞めた。人生で1番強く、物を握り絞めた。
「がっ....!かはっ、あ"っ....。」
身体から熱が冷めない。
此奴らが許せなかった。
約束を守らなかった此奴らが。
俺達を保護と言う形で偽って、人体実験をしていた事が。
許せなかった。
mb1「お、おい。は、早く本部に連絡しろ!」
mb2「っクソ!あいつ!失敗作じゃ無かったのか!?」
mb1「一体何が原因だ!アレは!あの金色の目は!半成功者の目にしか現れない
──"暴走の前兆"だぞ....!!」
体が痛くて仕方なかった。
自分で自分をコントロールしにくくて、無理に体を動かさないと、四肢がもげそうな位力の調節が難しかった。
暴走が抑えきれない俺は、途中で拾ったナイフで沢山の人を殺めた。
…けど本当は"暴走"という言い訳を使って、俺は研究施設の奴らを殺したかっただけだ。
それが本心だ。
rb「っ....。」
─守れなくて
rb「ごめ、ん....。」
一緒にいれなくて
rb「っ....ごめん」
....弱い兄ちゃんで
rb「ごめんっ....な....。」
ただ謝ることしか出来なかった。
あの時離れてしまった事を後悔することしか、出来なかった。
俺は弱かった。ずっと弱いままだ。
─俺は研究施設の中を駆け抜けた。
バンッ!
rb「クソっ!」
俺は施設内の部屋を一つ一つ全て見て行った。
普段の俺なら探すだけで精一杯だろう。
けれど、この時の俺は体の底から力が湧き出てきて、なんでも出来そうな勢いだった。
─だが、施設内の何処を探しても妹は居なかった。
rb「なんでや....。」
どうしてだ。俺の妹は、何処へ行ったんだ。
俺があの時、騙されていなければ、妹は助けられたかもしれない。
そんな思いが頭の中を駆け巡った。
rb「あぁ、もう。」
ダメだ。俺の生きる意味は手の届かないところへ行ってしまった。
失った者は取り戻せない。
俺のせいで
窓からは夜空が見える。満点の星空だった。
そうだ、折角なら綺麗な星空の下で
rb「逝こう…。」
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作者名:あとら | 作成日時:2019年9月22日 21時