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下を見ると血と雨が混ざってピンクに近い赤が足元まできていた。
その先を見ると、彼の私を守る為に引き金を何度も引いた手が無防備に放り出されていて、そのまだ先では、学校指定の真っ黒な学ランの腰のあたりが赤黒くなっていた。
彼がさっきまで持っていた傘は道路の方まで転がっていってて、拾わないとってぼんやり思っていた。
人通りが多い道だったからか、誰かが救急車を呼んでくれたらしく、そのサイレンの音が妙に耳に残っていた。
「…藤崎、起きろ!!」
私はパチっと目を開いた。真っ白な天井と至近距離で太刀川さんが目に飛び込んでくる。
「…太刀川さん、近ない?」
「お前、泣いてたぞ」
そっと顔を触って見ると確かに濡れていた。
「心配かけてすみま…」
私はその言葉を最後まで言い切ることは出来なかった。
唇には何度味わっても慣れない感触があって、私は考えることを放棄した。
「お前、俺の隊に入れ」
私のそれから離した太刀川さんは耳元で囁いた。
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かいくんはどーなってるんやと思ってらっしゃる方もいると思いますが、後々、書こうと思っているので、読み進めてもらえると分かると思います。
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つちのこ(プロフ) - ありがとうございます!忘れてしまってました… (2020年5月23日 23時) (レス) id: 2241c11c95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つちのこ | 作成日時:2020年5月23日 22時