【アイナナ】アニメヲタクの初恋 (ページ43)

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『一織って普段どんな感じ？』

「変わらない」

『そうなんだ…。じゃあ三月くんは？』

「みっきーはしっかりしてる」

『そうなの？』

「うん。俺らがまとまっていられるのもみっきーがいるから」

『そっか。よかった』

三月くん、みっきーって呼ばれてるんだ…

可愛いなぁ

それも努力が実ってみんなから頼られてるなんて三月くん、幸せだろうな…

プップー

公園の外から車のクラクションの音がする

「来た」

環くんに合図をされ、一緒に立ち上がり、車へ向かう

「ごめん、龍兄貴」

後部座席を開けて、運転席に挨拶をする彼は私を誘導して車に乗せる

『す、すみません、よろしくお願いします…』

「え！あぁ…よろしくね…？」

「マネージャーの妹、維」

続いて隣に乗ってきた環くんは、龍兄貴と呼ばれる方に私を紹介してくれる

「紡ちゃんの？！」

『は、はい…』

「龍兄貴、トリガーの」

と、TRIGGER？！

TRIGGERってあのアイドルの…？

お姉ちゃんがよく聴いてたけど…

本物…？

「TRIGGERの十龍之介です。改めてよろしくね、維ちゃん」

ペコッとお辞儀し、顔を上げると彼は不思議な表情に戻っていた

「それで環くん？いろいろ聞きたいことはあるけど、まずどこに向かえばいいのかな？」

環くんは私の方を一度見て、答える

「龍兄貴、服貸して」

『「え？！！」』

私も龍之介さんも環くんの言葉に開いた口が塞がらなかった

「ちょ、ちょっと待って？どうして俺の服なんだ？！着替えてどこに行くつもり？」

「だから買い物だってば」

環くんの言葉足らずな返答に龍之介さんは困った様子を隠せずにいる

『環くん、どういう意味…？』

「制服もダメだし、人が集まるのも面倒じゃん？寮に戻ったら誰がいるかわかんねーし。だから兄貴から服借りて変装しようかと思って」

そういうことか…

「…わかったよ。環くん、今回だけだからね？こんなことバレたら俺も事務所や天や楽だけじゃなくて、IDOLiSH7のみんなから怒られちゃうから。維ちゃんも紡ちゃんやお父さんに怒られるだろうからね」

「わかった」

『すみません…。』

龍之介さんは私達の顔を交互に見ると、ニコッと笑って車を動かす

「じゃあ俺の家に連れてくね」

『…は、はい！』

「おう」

龍之介さんが優しくてよかった

私たちは龍之介さんの家に向かった