【アイナナ】アニメヲタクの初恋 (ページ42)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:50,242 hit

9-2 ページ42

着いた先には公園があった

だいぶ学校から距離を走ってきたので、あまり道を知らない

とりあえず私たちは公園で一休みすることにした

「ん」

環くんは私にジュースを差し出してくれた

『ありがとう』

おぅ、と小さく答える環くんが飲んでいたのは飲む王様プリンだった

『ホントに好きなんだね、王様プリン。』

「まじやべーよ、王様プリン。神」

ふふ、と笑ってベンチに座って彼と同じ方向を眺める

『こういうのもたまにはいいね』

「うん。たまにサボる」

『そ、そうなんだ…』

何だかんだで真面目に出席している私には、考えられなかった

授業はたまにサボるけど…

話すことは特になく、二人の間には沈黙が流れていた

「買い物、付き合って」

『買い物？今から？』

「うん」

その場の空気を断ち切ったのは環くんの方で、その意外なお願いに私は頷くしか出来なかった

ただ制服で、しかも人気絶頂のアイドルと街を歩くにはかなり目立つだろう

『ねぇ、このまま行くの？』

「んー、ちょっと待ってて」

環くんはおもむろに携帯電話を取り出して、どこかに電話をし始めた

「もしもし……」

「……じゃあ、待ってる」

誰と話していたかは全くわからなかったが、声が漏れてた限りでは男性の声だった

「今から迎え来るから」

『え、誰が来るの？』

「兄貴」

『あにき…？』

環くんにはお兄さんがいたのか、学校をサボっているのに迎えに来てくれるなんて、なんて心の広いお兄さんなんだと思っていた

私たちはそのお兄さんが来るまで再び座って待つことにした