【アイナナ】アニメヲタクの初恋 (ページ41)

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バイト最終日も楽しく臨むことができ、充実した休日を送れたと思う

コスプレ姿を知人に見られたのは、少しだけ痛い出来事だったが、これからは堂々と出来ると前向きに捉えた

今日からまた学校なのだが、毎回の如く憂鬱だ

はぁ…、ダル……

ただでさえ楽しくなかった学校生活があのアイドルたちのおかげでさらにこの通学時の足取りを重くする

環くんは好きなのにっ…！！

心の中で一人葛藤していると、前から歩いてくる人を見て足を止めた

『…環くん…？』

学校とは反対方向に歩いていく環くんは私を見て、あ、と呟いた

「はよ」

『おはよー。学校…行かないの？』

「今日はサボる」

…えっ？！

彼の簡単な返答に驚きを隠せずにいると、少しだけニッと笑った

私は苦笑いをして首を傾げた

「一緒にサボろ」

『…えーっ？！！』

そう言い放った環くんは先程よりも大きく表情を緩め、私の手を取って走り出した

『え…あ、…た、環くんっ？！！』

「たまにはいーじゃん」

どこに向かって走ってるのか不明だが、登校中の生徒達からの視線は十分過ぎるほど刺さっている

嬉しいのか悲しいのか、もう自分でもどう表現していいのかわからなくなっていた

とりあえず環くんに合わせて走るのが限界だった

環くん、足早い…！

複雑な気持ちだったが、生徒達が見えなくなってきた頃、何だか楽しくなってきて自然と笑えてきた

それを見ていた環くんは少し不思議そうな顔をしていたが、もう何でも良かった

今日は環くんだけが隣にいる…

…そう思うことにしよう