2話 そう言えば ページ3
「火神クン火神クン!」
「あ?」
「なーんでーもないっ!」
あれからお互いに名乗り合い、一応顔見知り程度に昇格した。そしてこのやり取り
よくあるバカップルのやり取りだ。周りから見れば『リア充失せろこの野郎』レベルである
たが火神とAのやり取りは通算37回目。面倒くさくなって返事さえどうでも良くなってきてしまった
「お前これ何回目だよ!」
「…2回目?」
「阿呆か!もう30回はやったぞ?!」
「えー、けち」
くすくすとAは笑って春の景色を駆け回る
火神はそんなAを見て親戚の子供を思い出していた。何だかとても似ているような気がする。髪と目の色こそ違うが、似ている気がする
そう言えば、と火神は何かを思い出し、Aを見つめる
___流れでここまで来たけど何で俺の入る部活知ってるんだ?
純粋にそんな疑問が浮かんでくる
___よくよく考えれば不思議なことだらけだ。部活の事もそうだし、俺を見詰めてきたこともまだ全然分からねぇ
「……火神クン。火神クン」
「……あ?」
「Не что-нибудь」
何だ、それ。そんな言葉も出ないままAは奥へと走っていく
「早く早く!」
Aの急かす声が妙に大きく聞こえた
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Не что-нибудь→何でもない
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作者名:ピザ職人3号 | 作成日時:2019年4月14日 11時