その後のお話�� ページ48
客間に通された
私があの部屋に閉じ込められる前に
眠りについた部屋だ
上座に座った師範
師範の横にまきをさん、雛鶴さん、須磨さん
師範の向かいに
私と狛治が座った
｢あの……突然居なくなって……すみませんでした｣
頭を下げる
｢これからお話することは、ふざけているように聞こえるかもしれませんが、全部本当の事です｣
師範の目が私たちを見つめている
この目は絶対に誤魔化せない
いや
私がいなくなったことを
ものすごく心配して
ものすごく怒ってくれた
この人たちに嘘はつきたくない
｢私がどこに行っていて、何をしていて……｣
チラリと狛治を見ると
狛治も私をしっかり見つめ返してくれる
｢狛治が誰なのか、きちんとお話します。だからまずは最後まで聞いて頂けますか｣
宇髄｢……分かった、話せ｣
私は全部話した
目が覚めたら知らない部屋に閉じ込められていたこと
一緒に閉じ込められたのが『猗窩座』だったこと
『猗窩座』に傷つけられたこと
『猗窩座』に惹かれたこと
『猗窩座』と身体を重ねたこと
『猗窩座』の過去を知ったこと
『猗窩座』が許しを願ったこと
そして
｢『猗窩座』は『狛治』に…人間に戻りました。今隣にいるのが『狛治』です｣
師範は腕を組んだまま、静かに私の話を聞いている
その表情からは、何の感情も窺えない
｢私たちは今朝、夜明けと共に部屋を出ました。私がお伝えしなければならない話は以上です｣
ぺこりと頭を下げる
師範の纏う空気があまりに重くて
顔を上げられない
宇髄｢…………おい、A、顔上げろ｣
恐る恐る顔を上げると
師範が右手で頭を抱えている
宇髄｢つまりだ。この狛治って奴は『猗窩座』だったんだな？｣
ガシガシと頭を搔く
大きな溜息をつくと
顔を上げて
薄紫色の目を細めて
狛治を睨んだ
宇髄｢煉獄を殺した｣
スッと立ち上がったかと思うと
次の瞬間には
師範の拳で
狛治は壁まで吹っ飛んでいた
｢し、師範?!｣
｢天元様!!｣
壁にめり込むくらいに吹っ飛んだ狛治の元に
駆け寄ろうと立ち上がると
宇髄｢動くんじゃねぇ!!｣
ビリッと
身体中に電撃が走るような
激しい怒鳴り声
その場から動けなくなってしまった
私の横をすり抜け
師範は狛治の前に立った
埃を振り払いながら
狛治が立ち上がる
殴られた左頬は赤くなり
口の端から血が流れている
宇髄｢派手にぶっ飛ばして悪かったな。まぁこれぐらいじゃ足りんが｣
狛治｢……｣
宇髄｢あぁ、良い目だな。まだ意識飛ばすなよ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 516人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆあな(プロフ) - てふてふさん» てふてふさん(^^)コメントありがとうございます！私も無限列車編を見て鬼滅熱が再び燃えております(｀･ω･´)読んでいただけて嬉しいです(*^^*) (2021年9月27日 19時) (
レス) id: c561953436 (このIDを非表示/違反報告)
てふてふ - 完結から時間が経ってからのコメントで申し訳ないですが、無限列車編TV放送で再燃して読ませていただきました！ぽろっと涙が溢れるストーリーと、裏シーンはどきどきが止まらず本当に腰が砕けそうでした……！続編含め、素敵な作品をありがとうございました！ (2021年9月27日 14時) (レス) id: 2bb0e08beb (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - まりも。さん» まりも。さん(*^^*)なんて嬉しいお言葉…涙出るくらい嬉しいです！ありがとうございます(T^T) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 728d21b7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まりも。(プロフ) - もう何度こちらの作品を読んだことでしょう。大好きが止まりません(作品も猗窩座も) (2021年2月24日 13時) (レス) id: 1dc894a7c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - まゆまゆさん» 嬉しいコメントありがとうございます！私も猗窩座大好きなので、ホントに私の欲望と願望を詰め込みました(笑)現実になってほしい…(o´艸`) (2021年1月27日 12時) (レス) id: 728d21b7e2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆあな | 作成日時：2021年1月11日 20時
