4日目�� ページ41
あぁ、そうか
私が見た夢は
猗窩座の過去
人間として生きていた猗窩座が
鬼になるには
充分すぎるくらい
苦しく辛く暗い過去だ
優しい手当ての意味は
毒を飲んだ私に慌てた理由は
縋るような瞳は
悲しげな表情は
｢目を閉じるな｣という言葉は
｢離れるな｣という言葉は
忘れ去っていたはずの過去を
思い出したから
私が見た夢で
猗窩座の記憶を引きずり出したから
もう戻ってこない大切な人を
奪ってしまった命を
私に重ねていたんだ
なんて
悲しい人
｢……猗窩座｣
視線が交わる
｢私は、猗窩座の父親じゃないし、恋人でもない｣
｢猗窩座が奪ったたくさんの命を一つも知らない｣
｢だから…全てを『許す』とは言えない｣
猗窩座の瞳が揺れる
｢でも、私にした事を許すことはできるよ｣
猗窩座｢A……｣
｢痛かったけどね｣
｢身体を重ねたのは……同意の上だから許すも許さないもないか｣
｢あ、でも恥ずかしかったから、さっきの体勢はもうやだ｣
猗窩座｢悪かった｣
｢うん｣
｢それと｣
｢『もう充分だよ』｣
猗窩座が大きく瞳を見開く
｢あなたが大切な人たちを守れなくて、悔いて苦しんで自分の心を傷つけているのを、きっとその人たちは知ってる｣
｢死んだ人たちが願うのは、残った人の幸せだよ。復讐じゃない。『何故守ってくれなかった』と恨みもしない｣
｢あなたが鬼になってからも、心の奥底に人間だった時の自分を隠して、傷つけ続けていたとしたら｣
｢悲しすぎる。そんなことは願ってない｣
猗窩座は私を見つめたまま
ピクリとも動かない
私の腰に回していた腕も
いつの間にか力が抜けている
私は
猗窩座の肩に置いた手に力を込めて
話を続けた
｢猗窩座は鬼になる前から、充分過ぎるほど傷ついてた。苦しんでた｣
｢鬼になってからも、忘れ去ったはずの過去に縛られて、ずっと傷ついてた。気づかないうちに、たくさん｣
｢会ったばかりの私には、分からないことがたくさんある。でも分かることもあるよ｣
｢猗窩座は優しい｣
ピクッと猗窩座の肩が震える
｢本当はとても優しいのに、後悔が、自責の念が、猗窩座を追い詰めてる｣
｢命は戻らない。このまま強さを求め続けても｣
｢ねぇ…もう充分だよ。もういいんだよ｣
『帰っておいでよ』
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ゆあな(プロフ) - てふてふさん» てふてふさん(^^)コメントありがとうございます！私も無限列車編を見て鬼滅熱が再び燃えております(｀･ω･´)読んでいただけて嬉しいです(*^^*) (2021年9月27日 19時) (
レス) id: c561953436 (このIDを非表示/違反報告)
てふてふ - 完結から時間が経ってからのコメントで申し訳ないですが、無限列車編TV放送で再燃して読ませていただきました！ぽろっと涙が溢れるストーリーと、裏シーンはどきどきが止まらず本当に腰が砕けそうでした……！続編含め、素敵な作品をありがとうございました！ (2021年9月27日 14時) (レス) id: 2bb0e08beb (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - まりも。さん» まりも。さん(*^^*)なんて嬉しいお言葉…涙出るくらい嬉しいです！ありがとうございます(T^T) (2021年2月24日 19時) (レス) id: 728d21b7e2 (このIDを非表示/違反報告)
まりも。(プロフ) - もう何度こちらの作品を読んだことでしょう。大好きが止まりません(作品も猗窩座も) (2021年2月24日 13時) (レス) id: 1dc894a7c2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあな(プロフ) - まゆまゆさん» 嬉しいコメントありがとうございます！私も猗窩座大好きなので、ホントに私の欲望と願望を詰め込みました(笑)現実になってほしい…(o´艸`) (2021年1月27日 12時) (レス) id: 728d21b7e2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆあな | 作成日時：2021年1月11日 20時
