My Resistance-タシカナモノ-[2]

#36 秘密相談 ページ11

　
　
「裕太って呼ぶのは…記憶が戻ってからがいいんです」

　
そう。きっと玉森さんが

聞きたいのは前の自分の声。

…玉森さんが好きなのは

今の私じゃない。

前の私なんじゃないの？

…大変な人がライバルなんだなぁ…

勝てっこしないよ。

　
宮「Aちゃーん。」

　
「は、はい!!」

　
宮「別に呼んでもいいと思うよ？好きとかそういうのじゃなくて…んー…。AちゃんはAちゃんだから」

　
ドヤ顔で“俺いいこといったな”って

呟いてる宮っち。

自分は自分は…。

　
「玉森さんは…今の私を見てるんじゃないんですよ」

　
宮「え？」

　
「目を見てたら分かるんだけど…私を見てるけど思い出に浸ってるような…」

　
最近はまだなかった。

でも家へきたはじめの頃は

目が悲しんでいた。

　
「はやく戻って って思ってるはず」

　
自虐的に笑う自分に

宮っちが少し困ってるのが分かった。

　
宮「そっか…俺玉とシンメなのになんも分かってないや…」

　
シュンと。 そう犬がうなだれるように

落ち込んでいた。

　
「宮っちは誰よりもわかってるよ!!」

　
すかさずフォロー。

でも…。シンメってなに？

　
　

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