亀裂 ページ10
大倶利伽羅からの連絡の通り、俺達は神域を離に繋いで本丸に戻った
しかし其処で待っていたのは
気難しい顔をした鳴狐であった
『鳴狐さん！』
Aは鳴狐の元に駆け出すが
鳴狐はAの身体を受け止め口を塞いだ
驚いているAや俺達をよそに
此奴は静かに口を開く
鳴狐「大きな声は出してはいけない」
「Aが苦しそうだから離してやってくれ」
言うと鳴狐はAを離した
人差し指で合図をすればAも頷く
石切丸「それで、どうして私達を離に？」
燭台切「メールが来てたらしいけど..」
そう言って俺を見た燭台切から視線を逸らし
俺は懐から取り出した端末を鳴狐に見せた
「大倶利伽羅からの連絡で“にげろ”とあった。これはどういう事だ」
大般若「そんな事書いてあったかい？」
「あぁ..単純な言葉遊びだ。頭文字だけを読んでみろ」
言って大般若に端末を渡し鳴狐に問いかけた
「他の連中はどうした」
この問いかけに鳴狐は包み隠さずに言う
鳴狐「この子..Aから、離れた」
「は？」
思わず素で言ってしまった
視界の端にAがびくりと肩を弾ませたのが見えたが、俺は構わず問い詰める
「どういう事だ」
鳴狐「初代の刀はみんな逆らえない」
「ちゃんと説明しろ！」
『ひっ』
苛付いて怒鳴ってしまいAが怯える
そんなAをすかさず石切丸が包容し、Aを落ち着けた
鳴狐「契約書」
「契約書？」
鳴狐「鳴狐達、刀剣男士は、審神者が政府から受け取った契約書に自動的に追加される。契約書が破られたりすれば、契約は無効になって契約は途切れる」
「..」
それだけでわかってしまった俺は一体どれほどの
苦しみを味わえばいいんだ
「つまり..この本丸の初代から居た刀は..“今、此処に現れた誰か”のせいで、其奴に逆らえないと...そういう事だな」
俺は三代目の時に顕現された
だから...その効果はないんだろう
鳴狐「そう。鳴狐も二代目...燭台切、石切丸も同じ。大般若は...四代目...だから大丈夫」
燭台切「政府が動いたって事？」
それまで黙っていた燭台切が次は問いかける
それに頷いた鳴狐に言葉を投げたは石切丸
石切丸「...初代の契約書を持った何者かが、政府から派遣されてきた。そしてその契約書に名のある刀剣男士は逆らえず.....その派遣されてきた審神者の役目は..Aを追い出す事だった..って事かな」
鳴狐「そう..」
「...くそが」
初代からいる刀は数は多くなくても
洗練された奴等で構成されていたのを思い出し
俺は一人毒づいた
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机の上にも三年 - この作品とっても良かったです 話を途切れさせるのが嫌で夜一気読みしてしまいました（笑）更新頑張ってください (9月15日 22時) (
レス) @page36 id: 1ca09d8d18 (このIDを非表示/違反報告)
虎(プロフ) - すごい好きです (2023年1月10日 13時) (レス) @page36 id: 35d9ffe491 (このIDを非表示/違反報告)
やまは(プロフ) - すごく面白くて一気に読んでしまいました！あぁ〜、ここで更新停止かぁ…！とも思ってしまいました笑いつかこの作品の続きが読めることを楽しみにしております (2022年3月16日 23時) (レス) @page35 id: d3221d33a6 (このIDを非表示/違反報告)
星邪(プロフ) - お話にのめり込んで一気に読んじゃいました！主人公と自分重ねて読んじゃうところがあって、凄く頑張って！って気持ちになりました！言葉で表せないくらい凄い作品でした！更新まっていますね！ (2020年7月28日 19時) (レス) id: c3541498d1 (このIDを非表示/違反報告)
名無しの出来損ない - 長文失礼します。一気に読ませていただきました。最初から、この主人公は自分と同じだと、勝手に重ねて読みました。何度も何度も涙が出て、こんなにもいい小説に出会えて本当に嬉しいです。素晴らしい作品を作っていただき、ありがとうございます。 (2020年1月12日 21時) (レス) id: feab841105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：風船ガム | 作成日時：2018年11月23日 19時
