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夕暮れ時 病室
外はオレンジ色で染まっていて
私の片腕には 点滴がつけられ
一室のベットに寝転んで
以前 退院したのは 1年前
直ぐに身体が悪くなるから入院するのも早い
『けほっ けほっ…』
目には 数滴の涙
拭っても拭っても滴り落ちてくる
生きるのが辛い…でも生きたい
『はぁ…はぁ…』
食事は 薄いお粥で味がしない
自分で持っていけないから
看護師さんに任せてる
母「起きたの？」
『うん…咳が辛くて…目が覚めた』
母「そう…お母さんもう行くからね？
また明日 お見舞いに来るわね」
『うん…ありがとう』
1人の空間 無音 外からは聞こえる
無断で病室を出る事を禁止されてて
だからずっと大人しく寝てた
『そろそろ…限界…かな』
こっそりと病室を後にして
一直線に屋上に向かう
『もう…陽が暮れそう』
フェンスに手をかけてゆっくりと
向こう側に渡る
『高い…』当たり前な事を思って
生きたいけど死にたい そんな思いが
行ったり来たりして
目を瞑って足を前にする直前
渉「ダメですよ お嬢さん」
『誰？』
いきなりの声に驚きながらも
ゆっくりと後ろを振り向き
優しそうな人が立っていた
渉「こんな所で飛び降りなんて
何か悩みでもあるのですかー？」
『いえ 大丈夫です。ただ…その』
フェンスの向こう側に来てる為
もう言い訳出来るような状況ではなかった
渉「ひとまずこちら側に来てもらって
良いでしょうか？可愛いお嬢さん」
『分かりました… ちょっと待って下さい』
渉「それで何が理由で飛び降り
しようと思ってしまったのか
私に話してくれませんか？」
『もう…言い逃れ出来ない状況ですよね
私 生まれつき身体が弱くて
退院しても直ぐに入院して
親に迷惑かけて学校もまともに行けず
ただ過ぎ行く日々を過ごしてきました
生きたいと思う気持ちともう
終わりにしたいと思う気持ち…
ごちゃごちゃに混ざりあって
どうしたいのか分からないんです』
渉「成程 事情は分かりました
ならば私が貴方に生きる素晴らしさを
教えて差し上げましょう♪」
『えっ 良いんですか？』
渉「勿論です 貴方の日々樹渉ですから」
『日々樹くんって呼んでも良いですか？』
渉「はい。貴方のお名前は？」
『霧野…Aです』
渉「よろしくお願いしますね 霧野さん」
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takuto14106843(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます！気に入ってくれて嬉しいです！ (2020年5月28日 21時) (
レス) id: 8fae742cd1 (このIDを非表示/違反報告)
のん - この作品凄い好きです…！良い作品をありがとうございます……！ (2020年5月28日 21時) (レス) id: b1f19877ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：takuto | 作者ホームページ：http://hatunemiku
作成日時：2020年4月21日 2時
