作者がただただ描きたい話を短編で書きなぐるだけ

冬に咲くひまわり ページ1

冬にひまわりが咲く年が数年に一度ある。




冬にひまわりが咲くとき。




それは、その次の年に大災害が起こるという印だ。


大雨洪水、地震、噴火、このような災害が大きい被害を残していくことを表している



私は、冬にひまわりが咲かないようにするための仕事をしている





仕事内容は至って簡単。



咲く前に、根っこから引き抜く。たったこれだけだ。



でも、たったこれだけの作業でその次の年の大災害はなくなるんだ。



だから、国から認められてるし、給料だってものすごく高い。




最初は、この私が冬に咲くひまわりについて調べるために建てた研究所にはたくさんの研究者がいた。




自分の家族を守るため、もう大災害に遭いたくない、給料が高いから。


様々な理由を持った人たちがたくさん集まっていた。




でも、今ではこの研究所も2人だけになってしまった。


雇い始めたころは100人程度は居たのに。






たくさんの研究者は働き始めて、初めて冬に咲くひまわりを見た時にやめていく。




この冬に咲くひまわりは、夏から変化があらわれる。

まず、背丈も十分じゃないし、到底花なんて開かない。




だから、その時点で根っこから引き抜くことが多いのだけれど。






根っこから引き抜くとき聞こえるんだ。ひまわりの声が。



『いやだ。やめて。花を咲かせたい。まだここに居たい。痛い、苦しい。』





そんな痛々しい声が聞こえてくる。




だがこちらも、大災害を起こさせるわけにはいかないので、

心の中で謝って引きぬく。







他人に感情移入しやすい心の優しい人たちが集まった研究所だったから、

それを聞いたほとんどの人はやめていった。




それからも、最初は耐えられていたけど、どんどん耐えられなくてやめていく人。





それが続いて今の状態になった。



簡単な仕事だから2人でも十分やっていけるが、


ただ研究となると2人じゃしんどい






なぜ花が喋るのか。


なぜ冬に咲くのか。


なぜ冬に咲くと次の年大災害が起こるのか。





こんな難問はさすがに2人で解くのは難しすぎる、





「すみません、研究中に、あのちょっといいですか！？」


「おぉ、なんだ。慌てて。どうした？」



声をかけてきたのは、たった1人残ってくれた研究者



彼はとても若い青年で正義感が強く仕事はきちんとやり遂げる非の打ち所がない人だ




「今夏なのに、また咲かないひまわりが出たんです！」


「では、抜いててくれ。」


「違うんです…！抜けないんです！！どうしても！！！」

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