好きな和菓子は、練りきりかなぁ 実は偏差値62ある審神者 ページ2
「さっき、謙信といっしょにすいーつをつくってね。このげんあんは、謙信でね。じしんさくだから、ぜひきゅうけいがてらにたべてみてほしいな。」
おおきなあずみつの掌に乗っけられていたのは、求肥が兎の形をしているかわいらしい大福だった。手のところには、何とも器用にお月様が施されていた。私は、思わず声を上げて喜んだ。
「すっごいかわいいね!さすが謙信だ!食べるけれど、張本人は、どこにいるのかな?」
あずみつのうしろから、ひょっこりと顔を見せた。少し緊張しているようで、ほほを紅潮させていた。何回か、作ってくれているのだけれど毎回初回のような顔をして持ってくるのだ。その様子がかわいらしくて、いるのをわかっていてどこにいるのか探すふりをしてしまう。
「じゃあいただくね。」
あまりにもかわいいので、食べるのを躊躇してしまいたくなるが味も感想を言ってもらいたいはずなので、ぐっとこらえてむにっとした胴体をつまんだ。
「ど、どうだ?」
「とってもおいしいね!あんこの甘さもちょうどいい!さすが謙信だ。優!」
長船派の長義を思い出して評価すると、謙信はたちまち笑顔になった。ここは、こんないめーじをしてつくったんだ!、と作成秘話を語ってくれたりした。隣にいたあずみつも、うれしそうに微笑んでいた。全部ぺろりと食べ終えると、ありがとう、といって厨に戻っていった。端末に手を伸ばす。
「さっきは、よくも僕の専売特許を使ってくれたね。」
「あ、長義。Oh…What is this in your hand?」
「It is your task. Let's do it.」
専売特許の恨みなのかわからないが、長義が持ってきたのは、私の仕事だった。あからさまに嫌な顔をして受け取って、中身を見るとほとんど終わっていた。
「ほぼ終わってるじゃん。最後までやってくださいよー先輩」
「はぁ、よく見たまえ。あとは、全部君のサインが必要なところだろ。僕は、ちゃんと最後までやったけど文句あるかな?後輩君」
「いえ、ナニモありません」
完璧な書類を、ありがたく頂戴した。審神者の仕事は、出陣だけでなくほかにもたくさんあるからということで数年前から出陣の際の陣形を審神者の確認がなくても決定できるようになったおかげで、書類をこなしつつ任務も遂行できるため、とても楽である。
最初、審神者という文字を見て読めなかった系審神者です。→←平和な世の中を目指して、三年三組 審神者花子
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作成日時:2021年10月16日 16時