【刀剣乱舞】ただの審神者といい子過ぎる刀剣たち (ページ1)

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平和な世の中を目指して、三年三組　審神者花子ページ1

私は、この本丸の当主の審神者である。真名は誰にもさらしていないので、神域にさらわれる可能性はないだろうと勝手に思っているがその実不安で仕方がない。本丸には、八十近い刀剣が暮らしている。

　初期刀は、まんばちゃん。初鍛刀は、小夜ちゃん。最初は、この二人から始まった。審神者適性試験に何故か合格してしまったので、よくわからないまま初期刀を選び審神者としてこの本丸に就任することになった。つまり、二振りの性格を把握していなかったので、最初はコミュニケーションをとるのに苦労した。挨拶なりなんなり一から距離を詰めていこうと努力した結果、ほかの同位体よりもなついてくれるようになった。

「アンタ、政府から手紙が届いているぞ」

「あ、ほんと？」

　執務室にちらっと顔を見せたのは、初期刀のまんばちゃんだった。掌に持っていた手紙を受け取り、中身を確認する。中には、定期的に行われる特別任務の知らせだった。今回は、兎の里らしい。月見のこの季節に合わせて、作ったのだろうか、そう思うと冷酷だと思っていた政府にも血が通っているんだな、と思う。

「そうだねぇ。この戦場は、やせんみたいだから短刀と脇差を中心にしようか。」

「まぁ、みんなアンタの刀なんだからアンタが決めたことに対しては従うだろう。」

　修行してから、彼の性格が変わった。以前は、写しがどうたらこうたらと言っていたが帰ってきてからは、俺はあんたの刀だ今はそれだけで十分だ、みたいな男前な発言をするようになって成長して嬉しい反面、昔のまんばちゃんも大好きだったので少し複雑な気持ちだ。

「あるじ、ちょっといいかな」

「あずみつ？どうしたの？」

　まんばちゃんが、執務室を出てから少ししたころ、小豆長光が障子越しに話しかけてきた。端末に置いていた手を止め、障子をあけた。