拉致から始まる恋物語【河上万斉】

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Aside





「まじでこれ解けってぇぇ！！」



「嫌でござる」




え、なんなの？こいつなんなの？まじで



俺さっきまで巷で噂の情報屋として気取ってたんですけど。

ばりばりカッコつけてたんだけど。








いやなんとなく変な感じはしたよ？性別聞かれた時点で。


鬼兵隊に来いっていう勧誘は百歩譲って許すよ？


だけどよ、




会って何分もしないうちに惚れただのなんだの抜かして、挙句その惚れた女を鉄線で拘束して拉致るってどういうことよ？




俺自慢じゃないけど、恋愛経験０だぜ？

親に「あんた顔だけいいんだから一生黙ってたらいいんじゃない？笑」

なんて言われる身だぜ？





現に、今河上にお姫様だっこされてるけど、正直心の臓がバクバクしてて口から出そうなんだが。


サングラスの下から見える目がめちゃくちゃイケメンで目が合ったら俺に笑いかけてきて死にそうなんだけど。







あ、別に好き とか恋してる とかそんなんじゃねえから！！？



イケメンに(というか男性に)耐性ないだけだから！！






「おい河上、こんなふざけたことしろって言ったやつ誰だ！」



「鬼兵隊総督の高杉晋助でござるよ。まあ、拙者の気が向いたからでもあるのだが」



「てかよ、この運び方やめてくんない？もっと、俵担ぎとか、引きずるとか、別の方法にしてくれない？」



「照れてるのでござるか？さっきから顔が赤いのはそのせいであったか」ニヤニヤ


「なっ？！ ちち、違ぇし！？ なんで俺がお前に照れなきゃいけねんだよ？！！」



ご名答だよ！！この野郎！

悪いか、耐性ついていなくて！




「もう着くでござるよ」




進む先には船があった

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