拉致から始まる恋物語【河上万斉】

18 ページ21

ということで

帰ってきました、myHouse！


そんなに日にち立ってないのに凄く懐かしく感じる。


俺はパソコンに入っていたUSBメモリと服をいくつか取り出し、荷物にまとめた


「ほー、ここがA殿の部屋でござるか。案外きれいでござるね」


「案外ってなんだよ案外って」

ガラ

「おー、A殿の下着は普通でござるな、てっきり可愛いものを着けているかと」


「おい！？勝手に見るんじゃねぇ！！」


…別に可愛いの興味ねぇし……
見せる相手いないし……

「拙者、A殿の可愛い姿見たかったでござる」


「誰がてめぇに見せるか」





デリカシーの無いことをズケズケと言ってくる


でもやっぱり本質は紳士らしく、家を出たあとも





「A殿、荷物は拙者が」


「そちらは危ないのでA殿は内側を歩いてくれ」


「少し疲れたでござるな、あそこの茶屋で休憩しよう」



気遣いの塊………


なんか、慣れない

だっていっつも軽くあしらわれてたから
男友達にも多分女として見られた記憶がない




そして、俺の服を買っているとき



「うーん、そんなに数は無くてもいいかな」

チラッと万斉さんを見ると



「ふむ、……この柄はよく似合うな……しかし、丈が短すぎる気が…」


とかなんとか言いながらカゴ一杯に、服を入れてた


「ちょ、ちょっと！！そんなに必要としてねぇよ！！戻せって」


「彼女に着せたい服を彼氏が選ぶのも当然だろう」


「嫌だからまだ付き合ってねぇよ」


「ではこれから付き合うのでござるな」


「あーうるせぇ、で、そんなに服は要らないから。戻してきて」


「もしや金額のことを気にしているのでござるか？」

「ま、まぁ…それもある」


「安心してくれ、拙者これでも名の知れた有名プロデューサーでござるから、こんなの安いもんでござる」


「いや、払わなくて良いよ、俺が払うから！」


「それこそ男の恥でござる、女子に払わせるわけにはいかぬ」


って言って、レジで払っちゃってた…



もう、金額すごいことなってた……









赤の他人にここまでされるなんて…はじめてだ







「A殿だからでござるよ」


そういって、俺の頭にポンと手を置いた




俺の中の何かが少し動いた

19→←17

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す