帰り道 * 04 ページ24
"・・・一緒の部屋じゃ、ダメ?"
モトキくんがお風呂に向かった後に、発言の大胆さに気付き顔に熱が集まってくる。勿論変な意味はなく、ただ一人が嫌で思いきって言ったのだけど。そしてそれはモトキくんも分かってくれてると思う。
でも、一瞬固まってた事を思い出すと何だか恥ずかしくなってしまう。
そして。
パニックで何も言えなかった、ちゃんと思考が働いてなかったのだけど、あの時。マサイくんの家で抱きしめられて"好き"って言われた。
あの"好き"はあの時私が嫌わないでと言った事に対してだろうか。それとも・・・自分の都合の良い方に考えてしまい一気に心臓が煩くなる。
でも冷静に、どう考えてもあの場のパニックで泣いてた私を宥めるために、優しい言葉を掛けてくれた、と言うのが一番妥当で。嬉しいような、悲しいような。
一つ言えるのは、モトキくんはあんな姿の私を見ても嫌わずに居てくれたと言う事。
でもそれは私にとっては本当に嬉しい事だった。
一人でドキドキしたり、安心したり忙しい感情の中、暖まった体からふわふわした感覚を感じ始める。お布団の温もりとモトキくんが居てくれる安心感から瞼がだんだんと重くなっていく。せめてモトキくんがお風呂から上がるまは。
でも。少しだけ。
モトキくんがお風呂から上がるまで、少しだけ目を瞑ろう。お布団の温もりが心地よく、ふわふわとした感覚が体全体を包んでいく。
ふわふわとする意識の中に浮かんだ大好きな人の笑顔。
「もときくん・・・だいすき・・・」
心地よい温もり。微睡みの中へ落ちていく。
* * *
モトキ side
風呂から上がり部屋に戻ると、やはり気持ちを伝える時間はなかったようで、丸くなって寝ているAちゃんが居た。寝顔を覗きこむと静かに寝息をたてていた。
この場所が彼女の落ち着く場所になれたのかと思うと少し嬉しくなる。とりあえず、アイツらにLINEだけでもしとこうか、そう思ってスマホを手にした時だった。
「もときくん・・・だいすき・・・」
振り向くと、やはり寝息をたてているAちゃん。寝言・・・?心臓が煩い。寝ているAちゃんに聞こえて起こしてしまいそうなくらいドキドキと音がする。
モ「今のは・・・反則でしょ・・・」
落ち着くまで少し座り込む。
"よし"立ち上がり棚の引き出しから紙とペン、そして。
モ「よし、いいかな」
Aちゃんの笑顔を想像したら心が暖かくなった。
モ「おやすみ、Aちゃん」
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マロン(プロフ) - ありがとうございます!検索できました(^-^) めいみさんの作品は読みやすくて、ときめいてしまいます^_^ (2020年12月22日 13時) (レス) id: 28426e30c7 (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - マロンさん» コメントありがとうございます♪深海は【この作者の作品を全表示】から見るか、検索欄で「深海 meimi」といれてR18も表示で設定すれば出てきます(*´ω`*) (2020年12月22日 1時) (レス) id: ca651dd0ce (このIDを非表示/違反報告)
マロン(プロフ) - 深海を読みたいのですが、探せません(T-T) (2020年12月21日 22時) (レス) id: 28426e30c7 (このIDを非表示/違反報告)
マロン(プロフ) - 凄く良かったです! (2020年12月21日 22時) (レス) id: 28426e30c7 (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - マサイ愛さん» お返事遅くなってしまい申し訳ございません(>_<)完結して1年たつのに楽しんで頂けて、そしてコメントまで頂けてすごく嬉しいです!!今は更新停止してますが、もう少ししたらまた再開予定なので機会がございましたら、宜しくお願いします♪ (2020年2月20日 10時) (レス) id: ae95782c75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:meimi | 作成日時:2018年12月14日 22時