不安 * 03 ページ48
マサイ side
Aちゃんの様子がおかしい。
怒ってるとかそんな感じてはなく、なんと言うかとにかくいつもと違うのだ。
テーブルの上にはンダホがおすすめしてくれた飯屋のテイクアウト。メニューが気に入らないとかそんなことで機嫌を悪くすることないって事くらいわかる。じゃぁ、原因はなんだ？
何か彼女に対して暴言を吐いたり、酷い態度をとったりした記憶は全くない。寧ろそんなことするわけない。
俺の仕事上中々会えないことが多いが、それに関しては凄く理解をしてくれている。勿論、寂しい思いをさせてないかと言われたら、自信をもってYesとは言えないのが、申し訳ないのだが。
俺もAちゃんも、ポーカーフェイスは向かないのだ。無理して笑ってるような彼女を見るのは切なくなる。
マ「何かあった？」
「えっ？」
マ「何か今日元気なくねぇか？」
少し辛そうに笑う、俺が見たいのはそんな笑顔じゃないのに。"どうしたの？"そう促すと意を決したように彼女が真っ直ぐ俺の方を向いた。不安そうな表情に、ふと良くない未来が浮かぶ。
もしかして、別れ話なのか・・・。
「実は・・・ね」
思い起こせばいつも振られていた。それはもう、漏れ無く、だ。
いつもだったら"わかった、今までありがとう"それで終わりだった、特に何も思わなかった。でも今回は違う。嫌だ。別れたくない。こんなに好きなのに、離れるなんて。
ゆっくりと開かれる口元に、心臓がうるさくなる。お願いだ、別れるなんて言わないで。
「実は・・・お昼に、マサイくんが・・・女の人と居るの、見て・・・」
Aちゃんから発された言葉は想像していたものとは全く違うもので安心してしまい、そればかりかを考え過ぎていた頭は他の話の処理に追い付かない。
マ「・・・へ？」
思わず間抜けな声が出る。
目の前のAちゃんの目が段々と潤み始め、また言葉を紡いでいく。
「お昼休みに通り掛かったカフェで・・・見かけて。綺麗な女の人と二人で、楽しそうに話してて・・・」
今日の昼？今日の昼は、確か・・・
「凄く綺麗な人で、私なんか全く比べ物にならなくてっ」
Aちゃんの頬を涙が伝う。
「やっと好きだって、わかったのに・・・やっぱり私なんかが、マサイくんとお付き合いするなんてっ、そんな」
マ「待って！」
慌てて言葉を止めた。
ちゃんと動き出した頭がそう働いた。Aちゃんは勘違いしていると。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めいみ(プロフ) - 善処さん» わあぁぁぁぁ(´；ω；`)ありがとうございます....！！読んで頂けるだけでも嬉しいのに(´；ω；`)本当にありがとうございます！！！これからもどうぞ宜しくお願いします(*´ω｀*)♪ (2019年10月19日 15時) (
レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
善処(プロフ) - マさん可愛いすぎます！いつも楽しく拝見してます。私もお話を読む度に一番右の星を押してしまいます。既に押してあるので反映されませんが… (2019年10月19日 14時) (レス) id: 977f9d8c0c (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - らいあさん» めっちゃうれしいです、ありがとうございます（；△；）コメントも評価もお気に入り登録も、本当に支えになります！！こんな自己満妄想なお話ですが、これからも楽しんで頂けるよう頑張ります♪ (2019年10月18日 19時) (レス) id: 7fd022a576 (このIDを非表示/違反報告)
らいあ(プロフ) - 1つの話更新されて読むと指が勝手に1番右の星押すんです、でも既に押してあるから評価できないんです… (2019年10月18日 19時) (レス) id: 5fea82385a (このIDを非表示/違反報告)
めいみ(プロフ) - バニレさん» 難しい言葉は私がわからないので基本出てこないかと思います(笑)「1つずつ」は05で終わりですが、次の話はカッコイイマサイくんとは遠いかもです、ごめんなさい(笑) (2019年10月18日 0時) (レス) id: 41934aeb67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：meimi | 作成日時：2019年9月25日 21時
