【Fischer's】前途多難な恋だから * モトキ

夜道 * 03 ページ19

本当に見られてる？

「見られてるって誰に？？」

ン「あんまり考えたくはないけど、俺らのファンの子達、とかかな」

普通に接してると忘れちゃいがちだけど、彼らはYouTuberなのだ。
でも、YouTubeの色々には知識がない私としては何がどんな規模でどうなってるのかもわからないのだけど。皆でやってるみたいだけど、聞かれるのも嫌かなと思って、どんな事をしてるのかも、どんなグループ(？)名でやってるのかも、詳しいことは聞いていなかった。

はじめてあったときも、困ったファンの子と勘違いされた、もしかするとかなり有名な人達なのだろうか。

モ「そうだね、考えたくないけど、今YouTuberがストーカー被害にあってたりもするからなぁ」

シ「だとすると、Aちゃんが俺らと居るとこ見たヤツがって可能性もあるよな」

もしかして凄く・・・

「迷惑かけちゃってる、よね、私」

ネット世界ってよく小さいことを過剰に取り上げてで炎上して、その人の評価がさがる。
芸能人のニュースとかでよくあることだ。私が一緒にいることで彼らに迷惑がかかるのかも知れない。

マ「何云ってんの」

ン「そーそー、迷惑とか全くないから」

モ「Aちゃんが気にすることないから、大丈夫！」

シ「俺らは俺らのやりたいことやって仕事してるんだから、誰と一緒に居ようがそんなの俺らの勝手なんだし！」

モ「うちのリーダーがこう言ってんだから、気にしないの」

頭にぽんと手を乗せて、モトキくんが笑顔をくれる。今まで通りでいいのかな。

「ありがとう」

シ「あ！そーいや連絡先とか知らなくねーか、俺ら」

マ「言われてみれば・・・隣だから気にしてなかった」

ン「Aちゃんがよければ、連絡先交換しとこう、もし何かあったときのために」

どこまで優しい人達なんだろう。
皆と連絡先を交換していく。

モ「困ったことがあったらすぐ連絡すること！」

スマホをバックに入れて、ありがとうを伝える。

シ「さて、じゃーー皆で仲良く帰りますか」

皆と歩き出す。大勢で同じ方向に帰るなんてやっぱりまだ少し不思議な感じなする。
今日の仕事のでき、次の撮影のネタ、そして、私の仕事の事。それぞれ色んな話が盛り上りながら家までの短い道のりを歩いていく。

そして、もうおうちまで数十メートルと云うところで、聞き覚えのある声に呼び止められた。



「A！」



それは裏切られ、騙された、

今後関わることがないと思っていた、過去の人。

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