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二十七夜目 ページ27




アブさんの言った『話したい事』が気になったのと、腕を離してくれなかったのもあって結局二人で外に出た。





点々と街灯が照らす夜の街。

ただ歩くアブさんの一歩後ろを私も歩いた。

誰一人として人は居なくて、私達の歩く足跡だけが響く。

柔らかく吹いた風が服を揺らし、徐々に身体が冷えていく。

静まり返った公園を通り過ぎる際に時計を見ると、午前二時を過ぎていた。



会話が何ひとつないまま、十五分以上は歩いたと思う。

目的が分からず声をかけようとしたけれど、急に速くなったり遅くなったりするアブさんの歩きが感情を表しているような気がしてしまい、その気も失せてしまった。

アブさんが話したい事がある、なんて言ってきた事ないし。

アブさんに何か、今までにないような物凄い悩みや不安があるのかも知れない。

…なんでその相談が今なのか、私に話してくれるのかは分からないけど。






どんどん細い道に入って行って、気付けばコンクリートで簡単に作られている山道を歩いていた。

黙って着いて来ていたけど、流石に山を登る意味は分からない。

『…アブさん、どこまで行くの…?』

だんだんと息も切れてきて、未だ淡々と歩き続けるアブさんに声をかけた。

ア「…ごめんね、もうちょっとで着くよ。」

…声の感じは同じだけど、いつもならもっと調子乗ったようなこと言うのにな。

『…そっ、か…』

昼までのアブさんはどこへ行ってしまったのだろうか、本当に人が変わってしまった。

こっちまで調子狂うよ…。








道を外れたところを少し歩くと山の頂上に着いた。

星や月が真っ暗な夜の空に綺麗に浮かび上がっている。

少し欠けているけれど、大きな月が頂上に居る私達を照らしていた。




ア「…着いたよ」


周りが木に囲まれた中で少し不自然に空いたスペースがあった。

目的地はここだったようで、

アブさんはそこに立ち止まると振り向いて、悲しそうな顔でそう呟いた。




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ピアル - チョコはすさん» 初めまして、夏位からずっと更新を待っていた者です。単刀直入にお聞きしますと、もうこの作品を更新してくれないのですか?私はこの作品がとても好きなので、無理しない程度でいいので更新待っています (2016年4月18日 23時) (レス) id: 690021def7 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - アロエさん» コメありがとうございます!アブさん私も大好きです!これからアブさんたくさん出すつもりです!更新頑張ります! (2015年8月9日 22時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
アロエ - タイトル見て瞬間的にクリックしてしまいました!wアブさん大好きなので出てきて嬉しいです!更新頑張ってください!応援してます! (2015年8月9日 22時) (レス) id: edd707cc42 (このIDを非表示/違反報告)
チョコはす(プロフ) - AENさん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえると本当に嬉しいです…!!更新頑張ります! (2015年8月8日 12時) (レス) id: 4b9f39c94c (このIDを非表示/違反報告)
AEN(プロフ) - コメント失礼しますー|ω・)チラッ この作品本当に大好きで、楽しく読ませてもらってます♪♪更新頑張ってくださいっ!!(((o(*゚▽゚*)o))) (2015年8月8日 12時) (レス) id: e5841bf7d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:チョコはす | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2015年7月4日 20時

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