コード・ブルー departure farewell -第２章-

life　61 ページ23

冴島side









あの後流れたみんなからのビデオメッセージにいちいち涙してる間に、動画は終盤を迎えた。









最後に画面に現れたのは、今一番会いたかったひと。









『――――はるかと藤川が結婚するって聞いたときのこと、私はずっと覚えてる。









まず最初に、 大丈夫なの？ って思った。悪いけど、この二人って合ってるのかな、って何度も考えたし、私がいない間に何があってこうなったんだろう、って不思議に思っちゃったの。』







久しぶりにAの綺麗な瞳を見れたことを嬉しく思いつつ、話に耳を傾ける。









Aの鈴のような声は、自然と私をリラックスさせてくれた。







『でも、よくよく考えてみれば、二人ほどお似合いなカップルはいなかった。





どうせみんな表面だけの薄っぺらい愛情でカップルだなんだって言ってるでしょう？









―――だけど、あなた達は違う。お互いが心から愛し合って、自分より相手のことを考えてる。それが見ててよく分かった。





だからきっと大丈夫、って安心できた。』









Aの言葉に彼と二人で顔を見合わせて笑う。









『そして次に、寂しく思った。二人が一気に遠くに行っちゃう気がして、不安で仕方なかったの。




でもやっぱ藤川とはるかは藤川とはるかだった！




これからは二人で歩んでいくけど、私たちは永遠に同期だから。




そうだよね？』








そこでいったん言葉を切ったAの顔を見ているうちに涙が溢れてきた。




手の甲で雫を拭いながら目をモニターに向ける。







『はるか、あなたはいつも私を支えてくれたよね。

いつか私は、はるかに、〔あなたは光なの。いつもあなたの存在が私を勇気づけてる〕って言ったことがあったよね。それは今でも変わらないよ。10年間、ずっと。




―――はるかみたいにやさしく美しいひとを友人に持ったこと、いつまでも誇りに思ってるから。









藤川、思い出せば、私がよくはるかについての相談に乗ってたよね。でも結局いつも藤川の惚気話ばっかりで、つまんなかった。






…気づけばいつもあんたがいなきゃ物足りなかったなぁ。それぐらいみんなにとっても大切な存在。






はるか泣かせたら許さないからね、ぶん殴るよ。







―――でもきっとあんたなら大丈夫、信じてるから。









二人とも、ありがとう。仲よくね！』

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