life 62 ページ24
藍沢side
Aの言葉に涙を流す藤川と冴島。
隣に座る緋山の頬にもうっすらと涙の跡が残っている。
静まり返った部屋。
その沈黙が心地よくて、目を閉じる。
この仲間たちと過ごした10年間の記憶が脳裏に蘇る。
俺がトロントに行けるくらいに成長できたのは間違いなくこいつらのおかげだ。
が、こういう性格をしているせいか、感謝の気持ちがいつも言葉にできない。
画面越しには言えたものの、直接言えたことはなかった。
――――今なら言えるかもしれない。
俺と同じように沈黙に身を任せている藤川に
冴島に
緋山に
この場にはいない白石に
――――Aに
伝えたい。
今まで築き上げてきた絆があるからこそ言える言葉を。
今思っていることを言葉に詰め込んで
届けたい。
藍「――――ありがとう」
勝手に口から滑り落ちた言葉。
藤「…それはこっちのセリフだっつーの。」
緋「何よ、今更」
冴「珍しく素直なのね。」
こうやって少し驚きながらも笑顔で受け止めてくれたこの仲間を、いつまでも大切にしていきたい。
大切な、特別な仲間の直感
俺にはその直感があった。
10年前の初めてあったときから。
――――熱中症による蘇生後脳症です。
――――私は、自分が今しなきゃいけないことをします。
――――俺はフライトドクターになるよ。
――――使えますか？
――――仲間なんて必要ない。私は、名医になるから。
個性豊かすぎる同期を目にして、どうでもいい、と感じていた。
だけど今は違う。
藍「トロントに行って腕を磨いて、必ず翔北に戻ってくる。」
藤「…ああ、待ってるよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1858人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
らむれもん - キラあやさん» 応援ありがとうございます！コメント励みになります。頑張ります！(^^) (2018年8月26日 20時) (
レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
キラあや - らむれもんさん» そうですか、応援してるのでこれからも頑張って下さい！ (2018年8月26日 20時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
らむれもん - キラあやさん» そうですね…ある程度票が集まったら、と考えているのですが、多分、もうそろそろなはず…です！ (2018年8月26日 16時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
キラあや - 次の作品っていつ頃になりそうですか？ (2018年8月26日 14時) (レス) id: bf70448eda (このIDを非表示/違反報告)
らむれもん - 彩さん» コメント、ご意見ありがとうございます！橘先生がお好きなんですね。今後絡みを増やします！ (2018年8月26日 11時) (レス) id: e372e1ae53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：らむれもん | 作成日時：2018年7月27日 15時
