番外〜もしも夢主が幼児化したら〜 ページ46
〈三空千悠視点〉
「…つまり、何だ？」
「まとめるとですね、さいごのさいごでヤケになったヴィランの“こせい”らんぱつからやじうまをかばったけっか、こうなったらしいです」
それがウソだってことくらい分かってますけどね、という言葉は飲み込んで、私は黒いつなぎの男を見上げてにこっと笑った。
彼の名前は相澤消太で、ヒーロー名はイレイザーヘッド。高校一年生の私は、教師たちの中でも特に彼と親しいらしい。
師弟だと説明してくる人も居たが、きっと私は彼を師匠だとは思ってないし、彼も私を弟子とも教え子とも思っていないだろう。
いや、そういう部分も確かにあるだろうが、根底にあるのは…、無愛想だけど面倒見のいい先輩と、人懐っこい明るい後輩？ 先輩後輩５０%、師弟２０%、同僚２０%、友人１０%、って感じかな。
それはともかくとして。
私は、国立雄英高等学校の仮眠室の床に、ぐでーっと寝転がった。
「あ〜、ぼんち揚がたべたい…」
「それはこの時からか…、ほれ」
ぼんち揚の袋をぽいっと投げ渡されたので、「ありがとうございます」と笑顔で礼を言って頭を下げる。
自画自賛になるけれど、今の笑顔は良かったと思う。幼児特有のふくふくとした愛らしさをあざとさを詰め込んでみた。
袋を開けて、慣れ親しんだ菓子を一つ摘まむ。袋に記された年数は、当然のことだが未来のものだった。
…まあ、私にとっては未来ってだけで、世界から見れば私の方が過去の存在なんだろうけど。
それでも、パクッとぼんち揚に食いつくと自然と笑顔になった。これこそがぼんち揚クオリティ。
にこにこと幼女らしい笑顔を浮かべてぼんち揚を頬張る私を、イレイザーヘッドさんがじっと見下ろしてくる。かと思いきや、何かに思い当たったような顔をして目を逸らした。
…流石ヒーロー、優しいなあ。確かに普通の幼女からしたらイレイザーヘッドさんの容姿は恐怖の対象だっただろうけど、私はそんなに気にしないよ？
「ちなみに、今のお前は何才だ？」
「私ですか？ ごさいです。もうすぐねんちょうですよ」
「そうか。…年長…」
考え込むように俯いたイレイザーヘッドさんは、それからぱっと顔を上げた。
その時代の私と関わりのある人が居るのかな。施設の兄弟姉妹か、先生？
「物間寧人、という名前に心当たりは？」
番外〜もしも夢主が幼児化したら〜その２→←物間とデート。１と１
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紺青 - 零奈さん» ありがとうございます！ 頑張ります。 (2019年4月21日 9時) (
レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - 紺青さん» 分かりました。大丈夫ですよ。本編登場を心待ちにしています！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
紺青 - 零奈さん» リクエストありがとうございます。天喰環には、番外編ではなく本編で絡ませる予定があるので、今の時点で出すことは、話の都合上出来ません。すみません。 (2019年4月20日 18時) (レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
紺青 - サクラさん» リクエストありがとうございます。「物間とデート」という題名でアップさせてもらいました。これからもよろしくおねがいします。 (2019年4月17日 21時) (レス) id: 2583f0b797 (このIDを非表示/違反報告)
零奈 - リクエストで夢主と天喰環に絡んで欲しいです。できれば、あまり喧嘩腰ではなくほのぼのとした感じでお願いしたいです。 (2019年4月5日 23時) (レス) id: ea99f94738 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紺青 | 作成日時：2019年4月2日 0時
