第5話 ページ6
｢えっ？｣
思わずそんな声が漏れた。
｢悠高卒になるの？｣
｢その言い方やめろよ｣
悠が真顔で言ってきた。
それだけで、冗談で言っているのではないと分かる。
｢卒業したら、どうするの？｣
目の前がグルグル回っている気がする。
自分の声が、自分がいま話した言葉が他人のものに思えた。
｢うーん、とりあえずAんとこの病院手伝うつもり｣
｢……ふーん、そっか｣
｢Aはどこの大学行くんだよ｣
｢私？｣
声が裏がえった気がした。
｢秘密だよ｣
｢何だよー、言えよー｣
悠が頬を膨らませて言う。
｢乙女の秘密を探らないの！｣
｢お前が乙女？男の間違いだろ｣
｢あんたは女々しいけどね｣
病室のドアを閉めて、ため息をつく。
鞄の中からパンフレットを取り出して、ゴミ箱に投げ捨てた。
｢バカみたい。私｣
"一緒の大学に行きたい"なんて、無理に決まってたのに
そもそも悠の体の事を考えれば、新しい環境に連れ出すのは危険かもしれない。
でも、このままいつくるか分からない症状に怯えて暮らすなんて馬鹿げてる。
｢私が、やらなきゃ｣
私が＿＿＿
そのためには｡
『いいのか、A』
ふと父さんの声が蘇った。
『あの子とはもう会えないかもしれないぞ』
あの時、父さんはそう言ったか。
『いいんだ。父さん』
たとえもう会えないとしても、私は悠のことを救いたい。
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革ベルト
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絹巴(プロフ) - 夜桜まおさん» ありがとうございます！ (2017年9月2日 21時) (
レス) id: e0396769c1 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜まお(プロフ) - 完結おめでとうございます！ (2017年9月2日 21時) (レス) id: 75aebc440b (このIDを非表示/違反報告)
絹巴＠米民(プロフ) - 夜桜まおさん» 修正しました。ありがとうございました (2017年7月25日 20時) (レス) id: e0396769c1 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜まお(プロフ) - 絹巴＠米民さん» 作品の結末楽しみにしています。作品作り頑張ってください。 (2017年7月25日 18時) (レス) id: 75aebc440b (このIDを非表示/違反報告)
夜桜まお(プロフ) - 絹巴＠米民さん» 後何個か見つけたはずなんですけど、見当たらなくなりました。 (2017年7月25日 18時) (レス) id: 75aebc440b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絹巴 | 作成日時：2017年1月9日 20時
