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水島は私を車椅子に乗せて、部屋のドアを開けた。
彼に操られる車椅子に乗るのはかなり不本意だが仕方ない。

長い廊下には誰もいなかった。
右にも左にも扉は沢山あるが、中からの音は不気味な程に聞こえない。
……防音か?

車椅子の音だけが響く。

「A」
「……なに」
「僕は君が好きだよ」

私は拳を握りしめた。

「……薬で、私の記憶を奪ったくせに」
「その方が君は幸せになると思ったからだよ。事実、そうじゃないか」

車椅子が止まる。

「深海涼星が、君をここまでひどい状態にした」

背後から伸びてきた手が、私の手に触れる。
その指は浮き出た骨をなぞっていく。

「随分痩せたね。それにひどい貧血状態だ。……貧血用の薬も何度か飲まされているかい?」

私は無言で水島の手を振り払った。

「よく自我を保っていられたね。……僕のしたことと、深海が君にしたこと。どちらが酷いかくらいはわかるはずだ」

「どうして、あいつを庇うの?」

水島を見上げた。
泣きそうな顔が、私を見つめ返す。
私はため息をついて、前を向いた。

「……君が私を好きなのと同じように、私も涼星が好きなんだ」

返事は無かった。
また車椅子がカラカラと動き出す。
……あまり深く考えるのはやめた。

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ほっ - え、今更新中止しますか!?めっっっっちゃいいところだったのに!?? (2022年3月6日 13時) (レス) @page49 id: a5ff14c25a (このIDを非表示/違反報告)
冷兎 - あ”ぁ”ぁ…っ、ちょ、いいところっ……!!今!いいところぉっ……… (2021年7月31日 2時) (レス) id: 3cae246b7c (このIDを非表示/違反報告)
あま - 一番気になるところで… 更新待ってます!!! (2020年6月20日 23時) (レス) id: 621034dbe1 (このIDを非表示/違反報告)
- 今、更新停止中ですね。 (2020年2月19日 17時) (レス) id: a614cebea9 (このIDを非表示/違反報告)
NZM(プロフ) - 更新楽しみにしてます…!吸血鬼様良き… (2019年11月22日 16時) (レス) id: 13f970b2f4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タケノン | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年1月4日 0時

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