358太陽に過ぎたる者と月の友 ページ48
『竹千代は危なっかしい上、前しか見えておらぬからなぁ……さすがのお主もとても目が離せぬであろう？
…ん？それでも我ら総大将に変わりはないし、三河の主もあの方を置いて他にはない？
…そうだな。私もそう思う。
…だから、こうも惹かれ、ついていこうと思える
のやもしれない。私もお主も…
…忠勝。すまないが、私からもお主にわがままを頼んでもよいか。迷惑であれば聞き流してくれていいから…。
……うん…ありがとう……
…忠勝、多分これからまだまだ先、あやつが弱音や繰り言を度々口にする事はあるだろう。
その時はどうか呆れず、嫌気をささず聞いてやってほしい。あやつのソレはこの乱世の、目を背けてはならぬ現実と己が慢心を防ぐ為の戒め故、決して戯れ言などではないからだ。
……だが、もし…その弱音や繰り言が減ってきたその時は…
存分に甘えるといい。お主が家康に。』
忠勝[!!!]
瀬名姫は日だまりのような笑みを浮かべて忠勝にそう言った。
今となってはもう、家康と瀬名姫が仲睦まじく過ごす様子を拝む事は叶わなくなったが、その想い出と言葉だけは今でも…いや、一生消えないであろう忠勝の胸に深く刻まれていた。
[ﾌﾞﾁﾌﾞﾁｯ…ｶﾞｼｬﾝ!]
忠勝[ｷﾞｷﾞｷﾞｷﾞ…]
忠勝は自分の胸に巻かれた数珠を引きちぎる。
そしてそれを握り拾うと、真上に浮かぶ太陽に向けて掲げた。
忠勝[殿……殿はこれまで自分は我らに守られて来たと思いだろう……ですが、守られていたのは我らで、守っていたのはあなたなのです…
…今一度…郷愁を退け、我らが意志…受け取り下され…]
その時、数珠は眩い雷を纏うと、そのまま太陽に向かって浮かび上がり、忠勝の手から離れ、上昇した。
ーーーー
ある糸は西軍本陣近辺。
そこで刑部は片倉小十郎との戦いに破れ、地面に倒れ付していた。
刑部「ぐっ…
…我は…三成と…うたを……」
刑部もまた郷愁に思いを馳せていた。それは、皎月院がまだ三成の下に仕えたばかりの頃…
刑部『…三成。何故あの娘に気を遣う？』
三成『…何の事だ。』
刑部『宇多頼忠のご子女よ。山崎で主に劣らぬ戦功を上げていたであろ。』
三成『……秀吉様以外の人間に興味はない。』
刑部『ヒッヒッヒッ……主も天邪鬼よな。』
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 7人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!!終盤戦ももうすぐそこなので、張り切って最後まで書かせて頂きます!! (2017年11月13日 13時) (
レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
遠どぅー(プロフ) - もう楽しみでしょうがないです､早く続きが見たい！夢主達がどぅーなるか気になります!!更新頑張って下さい!! (2017年11月13日 12時) (レス) id: 8674fd3df2 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!もう本当に長らくお待たせしてすみませんでした!!完結まで後もう少しなので、頑張って最後まで終わらせます!! (2017年10月24日 11時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
遠どぅー(プロフ) - 待ってました!!これからどぅーなってくるか楽しみです!!更新頑張って下さい!! (2017年10月23日 18時) (レス) id: 8674fd3df2 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!すごく嬉しいです!返信遅れてすみませんでした!これからも張り切って更新させていただきます! (2017年10月22日 20時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：タンポポ | 作成日時：2017年9月13日 14時
