351黒い雲 ページ21
皎月院(殿は徳川とは違う…お人好しの仮面を付けてまで人を縛り付けたりしない……故に信じる事に躊躇いがない……なのに、それがどうして周りに解ってもらえないの…?
……一体…どうしたら…)
玉座の間に入ろうとしたその時…
三成「何!?裏切っただと!?」
皎月院「!」
玉座の間に入って突如耳に入ったのは三成の怒号。その場には刑部、そして皎月院と同じく駿府城から帰還していた真田幸村、猿飛佐助が居た。
幸村「天海殿は引き連れた織田兵の者を斬り、自分の忍すら斬り捨てようとした末、某が割って入った次第。」
皎月院「!!それは誠ですか!?」
刑部(うた…戻ったか。)
三成「刑部!!どうなっている!!」
刑部「我の知らぬ所で何かを企んでいたらしい。」
三成「くっ…!!天海…!!」
皎月院(そんな…ただでさえ徳川の謀反で豊臣の情勢は安定してないのに、天海殿まで豊臣を欺いていたなんて…)
刑部「して、お市殿はいかがなされた。」
幸村「行方知れずにござる。もはや人ならざる異形の闇と成り果て…」
三成「刑部!!そのような輩をこの豊臣に入れたのか!!」
皎月院「!三成様っ…」
幸村「お止め下され!石田殿は総大将にござる!全てを背負う責任なくば、この戦勝てませぬ!」
皎月院「!…真田殿…。」
三成「貴様…!!」
三成は幸村を睨みながら、刀の鞘に手を触れる。しかし、幸村は物怖じしない所かピクリとも動じず、ただ真っ直ぐ三成の目を見据えた。
幸村「……。」
三成「!……くっ…」
三成は鞘から手を離すと、その場から離れ、天守へ上がって行った。
皎月院「っ……。」
佐助「で、どうすんの?大将。これから決戦だって言うのに総大将にお説教って…」
幸村「……[スッ]」
皎月院「!」
幸村は黙して三成の後を追い、天守へ上がって行く。皎月院は困惑しつつも、その後を追った。
[トトトト…]
皎月院「…!」
天守に足を踏み入れると、そこには天守の見晴らし台から青空を見上げる三成と、その背を見つめる幸村が居た。
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タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!!終盤戦ももうすぐそこなので、張り切って最後まで書かせて頂きます!! (2017年11月13日 13時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
遠どぅー(プロフ) - もう楽しみでしょうがないです、早く続きが見たい!夢主達がどぅーなるか気になります!!更新頑張って下さい!! (2017年11月13日 12時) (レス) id: 8674fd3df2 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!もう本当に長らくお待たせしてすみませんでした!!完結まで後もう少しなので、頑張って最後まで終わらせます!! (2017年10月24日 11時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
遠どぅー(プロフ) - 待ってました!!これからどぅーなってくるか楽しみです!!更新頑張って下さい!! (2017年10月23日 18時) (レス) id: 8674fd3df2 (このIDを非表示/違反報告)
タンポポ(プロフ) - ありがとうございます!すごく嬉しいです!返信遅れてすみませんでした!これからも張り切って更新させていただきます! (2017年10月22日 20時) (レス) id: f0242507ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タンポポ | 作成日時:2017年9月13日 14時