俺たちの赤

子供のやり取りの裏で_1 ページ10

「葛葉のば〜か！！！」
「馬鹿って言う方が馬鹿なんだって馬鹿だから知らねぇか！ばーか！！」
「ねぇ〜やめなってぇ〜」

今GOD FAMILYのリビングでギャイギャイの騒ぐのは葛葉とA。
その横で2人を宥めるような情けない声を出しているのはじゃすぱー。
まるで子供の様なやりとりが響く。これで成人してる大人と、長い人生を生きてる吸血鬼ってマ？

「ぜってー葛葉よりも俺のが銃上手いもんね！」
「そんな細腕に負けるわけね〜」
「葛葉だってかりんちょりんじゃん！！」

数分前まで葛葉は「ｯｽｰ、ﾁﾜｽ」とか言ってAに対していつもの人見知りを発揮していた筈なのに、今では軽口に軽口を重ねて暴言までいくほどの言い合いが出来るようになっている。
周りにいるメンバーもそれぞれ会話をしながらも2人のやり取りに笑い声を上げていた。

「ローレン！葛葉がぁ！バカにしてくる！」
「え〜くっさんサイテーやん」
「なんだローレンお前そっち側かぁ！？」
「いやいや、俺がくっさんの敵になる訳なく無くない？」

いや俺の取り合いされても困りますよって、存外悪い気分では無いけれど挟まれるのは困る。
だがその気分とは裏腹に、なんだかほんの少しだけ胸の奥がチクリと音がした気がするけど、気にしない。
葛葉とAが急激に仲良くなっているところを見て、なんて。全然。そんなそんな。

「じゃす！お前がどうにかしろって！」
「俺にはどうすることもできないよロレ〜！」

まだギャンギャンと言い争う2人に俺もじゃすも解決策を提示できずに居たけれど、すぐそばにいた
へしこがスッと挙手をして発言する。

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