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scald・1 ページ3

入学してちょうど3ヶ月目、クラスは馴染むのが早くて、3ヶ月目にしてすぐにクラスで集まって放課後にでも遊ぼうという提案がでた。

俺はそういうのは嫌いではなかったしその日の放課後は部活もなかったからすぐにOKした。

そうすると提案者達はじゃぁどこに行こうかという話で教卓近くですぐ盛り上がっている、まぁ確かにそういうのは高校に入ってからのお楽しみみたいな感覚はあるやんなぁと他人事みたいに眺めてた

『あぁゆうん、好きなん?』

ぼーっとその情景を眺めていたものだから後ろからそう声をかけられて少し驚いた。

後ろにいたのは

「夏目ちゃん?」

『なんや宮くん、ああいう集まり好きそうやなぁって思ったんやけど、違かった?』

彼女は空席だった俺のとなりへ腰掛けてそう聞いてきた

「んー、嫌いやないで、少なくとも」

なんとも言えず曖昧に返せば、彼女は面白くもないだろうにへらっと笑って私も〜とそれだけ言った。

「夏目ちゃん、あっちいかんでええん?」

『あかんあかん!私は流行りの場所とか分からんしな、思いつくのなんてカラオケとかくらいやわぁ』

「あ、それは俺も」

そんなくだらない会話をして、その程度の関係と言ってしまえばそれで終わりだったけれども、マイペースな話のテンポとか喋り方とか、なんとなく、俺自身は彼女を気に入っていた。

彼女は誰か特定の人物とかものとかそういうのが無かったけど、彼女の周りには必ず笑顔の人がいて、彼女自身も自身のそこから輝いているようなその笑顔を出し惜しみせずに出していて。

太陽の光に晒されるブラウンの地毛。

目に入れたもの全てが光り輝きそうな彼女自身。

低めの身長と比較的白い肌。

俺は、そんな彼女が嫌いではなかった。

むしろ好きだった、人として綺麗だと思った。



夏目Aの見る景色はどんな色をしているんだろう。








それが、俺の見ていた『見えている美しさ』だった。

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作者名:たまこ | 作成日時:2018年9月1日 3時

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