標的78 ページ38
そこにいるのはまぎれもなく十年前の彼
Aの知る雲雀恭弥が、この時代にやってきた
幻騎士は裏球針態での戦闘中、この時代の雲雀がスケジュールを気にしていたことを思い出す
どうやらこうなることを予想していたようだ
なにも知らない十年前の雲雀はのんきにあくびをもらすと瓦礫の山から降りてAへと歩み寄る
雲「なに君、泣いてるの？」
あまり緊張感のない一言に一瞬ぽかんとしてしまったがすぐに言い返す
貴「な…そんなわけないだろ、状況をよくみろ！」
十年前の雲雀がやって来たことでなんとか冷静さは取り戻したが
どう考えても戦況は決して良いとはいえない
雲雀は幻騎士へと向き直ると何かに気付いたように顔を顰めた
雲「ねぇ君、並中ならその眉は校則違反だ。」
貴・幻「！？」
大きくショックを受けたのか、幻騎士は言葉に詰まる
Aはため息を吐くと呆れたように頭を抱えた
雲「まあいいさ。しかし、なぜ行方不明だったうちの生徒が倒れてるんだい？」
幻「山本武はオレが屠った。」
雲「ふぅん、じゃあ話は早い。」
トンファーを構えるとどこか楽しげな笑みを浮かべる
雲「君の行為を並中への攻撃とみなし、僕が制裁を加えよう。」
貴「まて雲雀、今のお前じゃ…！」
Aの制止の声も虚しく雲雀は幻騎士へと一直線に向かうが、カウンターをくらい瓦礫のほうへと吹っ飛ばされていく
貴「雲雀！」
幻「雲雀恭弥といえど、小童では話にならん。」
しかし、渾身の一撃を受けたにもかかわらず雲雀が起き上がったことに幻騎士は驚く
もしやこの時代の戦い方を知っているのではと勘ぐるも、雲雀からの答えでは何も得られなかった
雲「匣だかなんだか知らないけど、彼女が僕を呼んだんだ。闘う理由なんてそれで十分だよ。」
貴「…！」
まただ
どうして雲雀の言葉はこうも心のなかをかき乱すのだろうか
動揺している隙に、あたりを霧の炎に囲まれる
Aのからだは咄嗟に動き、雲雀へと駆けていた
貴「伏せろ！」
飛び込んだAの背後で大きな爆発が起きた
雲雀は自分の胸のなかに倒れるAの顔を覗き込む
爆風で飛んできた瓦礫が頭に当たった衝撃で気を失ってしまっているようだ
幻「視認できない幻海牛を察知するとは、流石だな。」
鋭く幻騎士を睨みつけるも、2人を囲むように姿を現した幻海牛の数は絶望的なものだった
幻「終わりだ。」
襲いくる匣兵器に打つ手もなく、Aを抱く手に力がはいる
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羅琉迦(プロフ) - 小鳥さん» はじめまして！応援ありがとうございます、これからも頑張らせていただきます！ (2016年4月4日 17時) (
レス) id: e77445351c (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 初めまして！ver1から読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2016年4月3日 21時) (レス) id: bd814a00d8 (このIDを非表示/違反報告)
羅琉迦(プロフ) - アリス･ネーヴェさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2016年3月26日 23時) (レス) id: 9033d5fd14 (このIDを非表示/違反報告)
アリス･ネーヴェ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張って下さい！ (2016年3月25日 22時) (レス) id: cb5300e9da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羅琉迦 | 作成日時：2016年3月7日 5時
