標的77 ページ37
一方、球針態に閉じ込められたA
先程まで聞こえていた音が、今は聞こえない
静かな空間がAの不安を余計に煽る
貴「…っ、息が…」
内部の酸素が減ってきているのだろう
苦しくなる胸を押さえながらその場に膝をつく
拳を叩きつけても変化はない
貴「…っ、くそ！」
唐突に連れてこられたとはいえ、この時代に来てから雲雀に護られてばかりでなにもできない自分に腹がたつ
貴「自分のことを理解しろって…雲雀は俺のなにを知っているんだ…」
過去のことは一度、ツナたちに話した
貴「俺は、弱くない…」
むしろ戦闘力は他の守護者たちより秀でている
それだというのに、雲雀の言葉がずっと胸の中でもやもやしている
酸素が頭にまわらず、とうとう視界が霞んでいく
そのまま力なく倒れる
貴「どういうつもりだよ、雲雀…」
最初から気付いていた
この時代の雲雀に会って、自分に注がれる眼差し
それは今までに感じたことのない温度を孕んでいた
あたたかくて、優しい
あの鋭い瞳からは想像もつかない
初めて感じるからこそ、その違いに気付いた
君には僕がいる________
まるでその言葉を欲しているかのようにからだの内から熱くなる
貴「なんで、こんな…」
こんなにも、一番欲しい言葉をくれるのだろうか
貴「お前がわからないよ…」
誰よりも群れることを嫌う雲雀が、なぜAと組んでいるのか
どうしてこんなにも、守ってくれるのか
貴「教えてよ…雲雀…」
意識が遠のくなか、Aは地響きの音を聞いた
顔を上げると、球針態にヒビがはいり
次の瞬間には壁が崩れた
ようやく供給された酸素を吸い込む
力の入らない腕を支えになんとか体を起こすと、目の前には瓦礫が積まれていた
そのなかから出てきたのは
貴「______幻騎士？」
雲雀の姿はなかった
貴「…うそだ、雲雀が…！」
みるみるうちにAの顔が青ざめていく
幻「…嘘ではない。」
見開かれた瞳は大きく揺れる
貴「ひ、ばり……_____っ、雲雀！！」
.
.
.
「そんなに大声出さなくても、僕はここにいるよ
一ノ瀬A。」
その時、一羽の鳥が羽ばたいた
聞き慣れた並盛中学校の校歌を歌い、ある場所で降り立つ
瓦礫のなかから姿を現したのは
貴「雲雀…？」
十年前の雲雀恭弥
幻「まさか、奴は確かに…！？」
雲「君、誰？僕の眠りを妨げると、どうなるか知ってるかい？」
ラッキーカラー
あずきいろ
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羅琉迦(プロフ) - 小鳥さん» はじめまして！応援ありがとうございます、これからも頑張らせていただきます！ (2016年4月4日 17時) (
レス) id: e77445351c (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 初めまして！ver1から読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2016年4月3日 21時) (レス) id: bd814a00d8 (このIDを非表示/違反報告)
羅琉迦(プロフ) - アリス･ネーヴェさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2016年3月26日 23時) (レス) id: 9033d5fd14 (このIDを非表示/違反報告)
アリス･ネーヴェ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張って下さい！ (2016年3月25日 22時) (レス) id: cb5300e9da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅琉迦 | 作成日時：2016年3月7日 5時
