標的73 ページ33
煙が晴れていく
そこに現れたのは、十年前の一ノ瀬Aだった
貴「…どこ、ここ。」
辺りを見回しながら立ち上がる
幻「まさか、本当にタイムトラベルなど…」
信じられるはずもないのだが、今起こった出来事が事実
幻覚などではない本物の十年前の一ノ瀬Aが、ここにいる
Aは目の前の2人を認識すると片方の男に首を傾げた
貴「…誰かに似てるような、似てないような。」
どうやら誰かは理解していないようだ
幻「ここは貴様のいた世界から十年経った世界だ。その男の風貌に見覚えがあるだろう、貴様のよく知る人間だ。」
そう言われて片方の男をまじまじと見つめる
手触りのよさそうな黒髪、鋭い眼光を持つ瞳、端正な顔立ちと纏う雰囲気
その両手には、鈍く光るトンファー
貴「え……あ、雲雀…？」
ようやく雲雀だと気付いたAだが、雲雀は不機嫌そうに睨みつけている
雲(十)「気付くのが遅いよ。」
貴「あ、いや…随分大人っぽくなったと思って…」
十年前の世界では大きな差はなかった身長も今では見上げる程にまで離れている
雲(十)「ふぅん、僕からすれば十年前の君はまだ可愛らしいけど。」
Aの頭に手を置くと意地悪な笑みで見下ろす
大人びた外見のせいか、あまり慣れない雰囲気に気恥ずかしくなりその手を退けさせる
貴「…ほんとに十年後みたいだな。」
判断材料はあまりにも少ないが、目の前の雲雀が真実を物語っている
貴「それで、あんたはどちらさま？」
幻「ミルフィオーレファミリー、霧のマーレリングを持つ幻騎士だ。」
貴「げん…？、そうじゃなくて、俺はあんたの名前を聞いてるんだけど。」
何てことのない問いだ
しかし、幻騎士の瞳が僅かに大きくなった
幻「…オレはこれでいい。」
動揺したかと思われたが、すぐに何事もなかったかのように振る舞う
貴「そう、変わってるね。」
Aもそれ以上は追求しなかった
そこで、山本たちの存在に気付く
一目見て戦闘後だということが分かった
貴「…なるほど、どうやらあんたは味方じゃないってことか。」
既に幻騎士を見る目は敵意を含んでいる
幻騎士自身、それを肌で感じていた
幻「それはこれから分かることだ。」
すると部屋の景色が緑豊かな樹海へと変わっていく
一瞬の隙を許したAの手足に蔓が絡みついてきた
貴「…っ、なんだこれ…！」
もがいて解こうとしてもビクともしない
雲(十)「君はどうやら霧の幻術使いのようだね。」
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
羅琉迦(プロフ) - 小鳥さん» はじめまして！応援ありがとうございます、これからも頑張らせていただきます！ (2016年4月4日 17時) (
レス) id: e77445351c (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 初めまして！ver1から読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2016年4月3日 21時) (レス) id: bd814a00d8 (このIDを非表示/違反報告)
羅琉迦(プロフ) - アリス･ネーヴェさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2016年3月26日 23時) (レス) id: 9033d5fd14 (このIDを非表示/違反報告)
アリス･ネーヴェ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張って下さい！ (2016年3月25日 22時) (レス) id: cb5300e9da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：羅琉迦 | 作成日時：2016年3月7日 5時
