標的71 ページ31
目の前まで迫った剣がカチカチと音を立てる
手加減などせず強い力でハルバードを抑えつける
Aは一瞬だけ腕の力を抜き幻騎士の体勢を崩すと此方に傾く体に蹴りをくらわす
腹部にめり込んだ足に顔を歪め後方に退く
そのまま一気に距離を詰めると幻騎士へと向かってハルバードを突く
刃は幻騎士を捉えるも傷は浅い
貴(十)「…っ、流石この時代最強と謳われる剣士。」
幻「ボンゴレ最強の守護者とコンビを組むだけのことはあるな。」
しかし最初に斬撃を受けたAの肩が悲鳴をあげている
止血をした上着の白は既に血が滲み赤く染まりつつある
動かすだけで激痛を伴うというのに、武器を振り回せば尚更出血を促す
そのせいで息が上がり体に力がはいらない
幻「そろそろ限界が近いようだな、その出血では無理もない。」
傷口が疼く肩を押さえながら悔しげに唇を噛み締める
貴(十)「まだ…っ、これくらい何でもない。」
幻「…そうか、ならば。」
剣を高く振り上げた幻騎士の足元には
幻「先に山本武を片付けるまで。」
もう動くことすらできない山本
貴(十)「…っ、！やめろっ！！」
真っ直ぐに剣が振り下ろされる
鈍い音とともに鮮血が舞う
それは山本のものではなく
貴(十)「…ぅ、っく…！！」
山本を庇ったAのもの
がくりと力なく崩れ落ち、それでも山本を庇う
幻「山本武は既に瀕死の身、庇うだけ無駄だというのが分からないのか。」
僅かに苛立ちを含む幻騎士の言葉に、Aは小さく笑った
貴(十)「悪いな…わたしは、腐ってもボンゴレだ。」
その言葉で幻騎士のなかの何かがきれた
Aを蹴り飛ばすと仰向けに転がるその体に跨る
細い首に手をかけ、押さえつける
下からは苦しげな声が漏れるが今の幻騎士には聞こえない
幻「他人に興味を持たなかったお前がなぜボンゴレのためにここまで尽くす…」
Aの首を絞め付ける手に力がはいる
幻「あの男のなにがそうさせた！なにがお前をそこまで変えた！」
雲雀恭弥の存在が幻騎士を怒りへと駆り立てる
しかし、Aは穏やかだった
貴(十)「難しいことはわからないけど、ただ
好きなんだ。どうしようもなく大好きなんだよ、雲雀が。」
幻「…！！」
貴(十)「ひとつ、教えてあげる。」
ゆっくりと、唇がうごく
.
.
.
貴(十)「''風は雲をはこぶ''________」
幻「黙れ！！」
突如、部屋の壁が破壊された
ラッキーカラー
あずきいろ
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羅琉迦(プロフ) - 小鳥さん» はじめまして！応援ありがとうございます、これからも頑張らせていただきます！ (2016年4月4日 17時) (
レス) id: e77445351c (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 初めまして！ver1から読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2016年4月3日 21時) (レス) id: bd814a00d8 (このIDを非表示/違反報告)
羅琉迦(プロフ) - アリス･ネーヴェさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2016年3月26日 23時) (レス) id: 9033d5fd14 (このIDを非表示/違反報告)
アリス･ネーヴェ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張って下さい！ (2016年3月25日 22時) (レス) id: cb5300e9da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅琉迦 | 作成日時：2016年3月7日 5時
