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標的67 ページ27

暫くして入江の研究室近く、ひとつの部屋に入った

この部屋は特に重要な役割があるわけでもなく、言ってしまえば広い空間のようなもの

トレーニングルームとして使われることがあるかもしれないがやはり使用する者は滅多にいない

そのはずだが、この部屋にはすでに人がいた

一人、Aを待ち構えていたかのように

貴(十)「遅くなったのは悪かったって、だからそんな顔するなよ…幻騎士。」



Aの前に立っているのはこの時代最強の剣士、幻騎士



幻「役目を果たしたなら何も言うまい。入江殿への報告は済ませたのか?」

貴(十)「ああ。…これからこの基地、部屋の配置とかめちゃくちゃになるって。」

入江の匣兵器、メローネ基地は入江の意思で自在に部屋を移動させることができる

各階にある謎の空間は部屋を移動させるためのものだった

貴(十)「迷子になる前に会えてよかったよ…''相方''。」

幻「貴様がボンゴレ雲の守護者、雲雀恭弥以外の人間をそう呼ぶとはな。」

貴(十)「だってそうだろ、今組んでるのはお前なんだから。」

部屋のあちこちに配置されている鋼鉄の塊

手頃な高さのものを選ぶとAはそこに腰を下ろす

貴(十)「わたしはボンゴレを裏切ったんだ…お前がジッリョネロを裏切ったのと同じようにな。」

皮肉めいて、煽るような言葉に幻騎士は僅かに眉をひそめる

ゆっくりと歩みよりAの目の前までくると指先で軽く顎を持ち上げた

抵抗することもなくただじっと、幻騎士の瞳を覗き込む

幻「同じ神に遣える裏切り者、貴様も俺も既に染まった身だ。」

貴(十)「けどお前は黒、わたしは白…それとも、わたしを黒に染めるか?」

口許を緩めたAの表情はどこか妖艶だった

僅か上を向いた唇が動くたびに淡々とした声が紡がれる



強気な態度に幻騎士は小さく笑った

すると片手でAの頰を包みこむ

幻「強い光を放つ白は黒に染まることはない。黒のなかでも、一際輝き続ける。」

その瞳でAを射抜くと腰を屈めて互いの距離を縮ませる

吐息がかかるほどに近付いた唇

それでも2人の視線は交わったまま________









貴(十)「お前の光はわたしじゃない。」



決して大きくはないが凛々しく響く声

触れる寸前まで近付いた唇は、そこで止まった

Aは動揺した様子もなく、そっと幻騎士の肩を押す



貴(十)「なんてな。」



その表情は優しいものだった

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羅琉迦(プロフ) - 小鳥さん» はじめまして!応援ありがとうございます、これからも頑張らせていただきます! (2016年4月4日 17時) (レス) id: e77445351c (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 初めまして!ver1から読ませていただいてます!これからも頑張ってください! (2016年4月3日 21時) (レス) id: bd814a00d8 (このIDを非表示/違反報告)
羅琉迦(プロフ) - アリス・ネーヴェさん» ありがとうございます!頑張らせていただきます! (2016年3月26日 23時) (レス) id: 9033d5fd14 (このIDを非表示/違反報告)
アリス・ネーヴェ(プロフ) - 面白いです!これからも更新頑張って下さい! (2016年3月25日 22時) (レス) id: cb5300e9da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:羅琉迦 | 作成日時:2016年3月7日 5時

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