標的59 ページ19
全員が寝静まった真夜中
風紀財団アジトの一室でAも既に夢のなか
そのはずだった
しかし先程から布団のなかに自分以外の温もりを感じる
もぞもぞと動くそれを確認すべく起き上がり、眠い目をこすりつつ布団をめくると________
貴(十)「……あ、ねこ。」
Aの布団のなかの温もりの正体は獄寺の匣兵器の嵐猫だった
貴(十)「お前なんでこんなとこにいるんだ…飼い主はどした？」
布団から出してやり抱き上げると小声で話しかける
しかし嵐猫は寝ぼけているのかひと鳴きするだけで、Aの望む答えはくれそうもない
貴(十)「お前かわいーなー…ちゃんといい子だし、獄寺に聞いた話と全然違うんだけど。」
自分の膝にのせながら指先でのどをくすぐってやるとなんとも気持ち良さげな声をだす
初対面にしてすっかりAに懐いた嵐猫は眠気から完全に覚醒したのか、もっと遊べと言わんばかりにすり寄ってくる
貴(十)「お前と遊びたいのはやまやまなんだけど、明日大事な日だからさ…もう寝ような？」
今から獄寺のもとに行くのも面倒だと考えたAはどうやらこのまま嵐猫と一緒に寝てしまうつもりらしい
それに答えるかのように嵐猫は元気に鳴いた
貴(十)「あ、ばか……」
しかし、Aの心配も遅かった
次の瞬間、部屋の襖が容赦なく開かれた
雲(十)「ねえ、ペットを許可した覚えはないんだけど。」
貴(十)「せめて一声かけて欲しいんだけどなー…」
雲(十)「関係ないね。それより、その猫はどうしたんだい？」
これまた容赦なく部屋に入ってきたのは雲雀だった
この男には何を言っても無駄だと悟ったAは説明する
雲(十)「獄寺隼人の匣兵器が寝ぼけて迷い込んできた…躾がなってないようだね、その猫。」
貴(十)(お前も大概だけどな。)
そう言いつつ雲雀は腰を屈めると嵐猫の小さな頭を撫でてやる
嵐猫も反抗することなく素直に撫でられている
貴(十)「やっぱり獄寺にだけ懐いてないのか…不憫だな、あいつも。」
雲(十)「いつまでも遊んでないで、返しに行くよ。」
貴(十)「はいはい。」
嵐猫を抱きながらAは立ち上がり、雲雀のあとについてボンゴレアジトへと向かう
相変わらずその腕のなかで甘えるようにすり寄ってくる愛らしい姿にAもすっかりほだされてしまっているようだ
やわらかな毛並みに頬をすり寄せる
なにが気に食わなかったのか、雲雀はAから嵐猫を取り上げてしまうとその後は触らせることはなかった
ラッキーカラー
あずきいろ
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羅琉迦(プロフ) - 小鳥さん» はじめまして！応援ありがとうございます、これからも頑張らせていただきます！ (2016年4月4日 17時) (
レス) id: e77445351c (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 初めまして！ver1から読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2016年4月3日 21時) (レス) id: bd814a00d8 (このIDを非表示/違反報告)
羅琉迦(プロフ) - アリス･ネーヴェさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2016年3月26日 23時) (レス) id: 9033d5fd14 (このIDを非表示/違反報告)
アリス･ネーヴェ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張って下さい！ (2016年3月25日 22時) (レス) id: cb5300e9da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅琉迦 | 作成日時：2016年3月7日 5時
