標的54 ページ14
午後の特訓を終え雲雀から逃げてきたA
ボンゴレアジトの構造は入り組んでいるので、逃げ惑ううちに見たことのない階に来てしまった
しかし見たところ、どうやら個人部屋用の階らしい
貴(十)「今日はここで寝ようかな…」
なんて考えるだけ無駄なのだと分かっている
憂鬱な気分でため息を吐くと、先程まで一緒にいたラルが廊下を歩いていく姿を見かけた
しかし此方には気付いていないようなのでAはラルのもとへと向かう
貴(十)「ラル、お前の部屋ってここだったんだな。」
いつも通りに話しかけた
はずだったのに、ラルはどこか驚いたようにAを見つめた
否、見つけた
自分の右側にいたAを捉えるために、体ごとこちらに向けてその''左目''で確認した
その不可解な動作にAは気付いてしまった
ラルの右目の視力はほとんど失われてしまっているのだと
貴(十)「…お前、どうしたんだ、それ。」
ラル「なんのことだ…」
貴(十)「とぼけるな。わたしは医者だぞ、気付かないわけがないだろ。」
僅かな怒りを滲ませつつ決してラルから目を逸らさない
その瞳に耐えきれず、ラルは静かに口を開いた
ラル「…右目の視力はほとんどない。もともと視力が弱いことは言っていただろ…そのためのゴーグルだったが、もう必要なくなった。」
淡々と語られる言葉にAは僅かに唇を噛み締める
悔しそうに目を伏せて俯いたのち、小さく呟いた
貴(十)「…なんで、言わなかった。」
ラル「不安要素を増やしたところで…」
貴(十)「そうじゃない、そうじゃないだろ…せめて、わたしには話してくれよ…」
ラルの言葉を遮り、その肩を掴めば俯いたまま詰め寄る
ラル「…！…すまない。」
貴(十)「お前はわたしの…大事な親友なんだ。お前がわたしにそう言ってくれたんだろ…あれは嘘なのか？」
ラル「違う！！オレは…ここで引き下がるわけにはいかないんだ。」
貴(十)「…わかってるよ。だから、止めるつもりはない。」
ふいに顔をあげたAと視線が交わり、予想外の一言にラルの瞳は大きく開かれる
貴(十)「お前の揺らぐことのない想いも、お前の強さも、わたしは知っている。こんなところでお前は死なない…そうだろ？」
ラル「…ああ。まったく、お前には敵わんな。」
そこでようやくラルの表情が綻んだ
貴(十)「当たり前だろ。」
2人には、2人にしか見せない顔がある
2人は親友なのだから________
ラッキーカラー
あずきいろ
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羅琉迦(プロフ) - 小鳥さん» はじめまして！応援ありがとうございます、これからも頑張らせていただきます！ (2016年4月4日 17時) (
レス) id: e77445351c (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 初めまして！ver1から読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2016年4月3日 21時) (レス) id: bd814a00d8 (このIDを非表示/違反報告)
羅琉迦(プロフ) - アリス･ネーヴェさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2016年3月26日 23時) (レス) id: 9033d5fd14 (このIDを非表示/違反報告)
アリス･ネーヴェ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張って下さい！ (2016年3月25日 22時) (レス) id: cb5300e9da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅琉迦 | 作成日時：2016年3月7日 5時
