標的41 ページ1
見上げてみても相変わらず空は見えない
朝日が差し込むこともない
アジトは地上ですらなく地下なのだから当たり前だ
それでも風紀財団のアジトには忠実に再現された日本庭園があり、一定の間隔で鹿威しの音が響く
静かな縁側にひとり腰をおろし、Aはお茶をすすっていた
雲(十)「君にしては、ずいぶん早起きだね。」
黄昏る背中に声をかけるが隣に座ることはなくAの背後に立ち尽くしたまま、まるで景色の一部としてその様子を眺めている
貴(十)「おかげであくびが止まらないけどね。」
ふあ…、とひとつ漏らせば指先で目をこする
雲(十)「…ふん、まるで十年前の草食動物たちがこの時代にやってきたときのようだね。」
貴(十)「ほんと、目敏いね。…まったくその通りだよ。」
かこん、と爽快な音が鳴るとともに庭の木にとまっていたヒバードが軽快な羽音をたてながら雲雀のもとへと飛んでいく
貴(十)「それだけじゃない。…おそらく、ボンゴレアジトの方でリングの反応が出ているはずだ。」
雲(十)「それは、霧のボンゴレリングかい？」
貴(十)「…ああ。」
ずず、と小さくお茶をすする音
空になった湯のみを隣に置いたお盆にのせればそれを手にゆっくりと立ち上がる
無造作に結わえた髪がさらりと背中の上をすべり落ちる
貴(十)「僅かだけど、骸の気配を感じた。」
雲雀の横を通る際、彼の手に何かを渡す
貴(十)「これから向こうのアジトに行ってくるよ。」
それだけ残してAは用意された自室へと姿を消した
その後ろ姿を目で追っていたが、雲雀は自分の手の中に残されたものに視線を落とす
幻想的な蓮の花は、暫くすると霧のように消えていった________
ラッキーカラー
あずきいろ
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羅琉迦(プロフ) - 小鳥さん» はじめまして！応援ありがとうございます、これからも頑張らせていただきます！ (2016年4月4日 17時) (
レス) id: e77445351c (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 初めまして！ver1から読ませていただいてます！これからも頑張ってください！ (2016年4月3日 21時) (レス) id: bd814a00d8 (このIDを非表示/違反報告)
羅琉迦(プロフ) - アリス･ネーヴェさん» ありがとうございます！頑張らせていただきます！ (2016年3月26日 23時) (レス) id: 9033d5fd14 (このIDを非表示/違反報告)
アリス･ネーヴェ(プロフ) - 面白いです！これからも更新頑張って下さい！ (2016年3月25日 22時) (レス) id: cb5300e9da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：羅琉迦 | 作成日時：2016年3月7日 5時
