【夏目友人帳】スウィーツより甘いキスを君に。【夏目貴志】

参 ページ4

皐月「夏目君、大丈夫？さっきから怖い顔して」



「あっ、ああ。大丈夫だよ。」



なんて聞こうか…


やっぱり素直に聞いた方がいいよな。



「なあ、皐月。」


皐月「なーに？」




「皐月って…見えるのか？」









俺たちの間を、夏風が通る。









皐月「どうしてそんなこと聞くの？」


「どうしてって…今日、妖怪に向かって微笑んだり、手をふってたりしてたからさ。」


皐月「うんうん。つまり夏目君は見えるのね。」


「ああ。」



皐月「さあ…どうだろうね。」



「え…？」


皐月「ウソウソ(ﾆｺ。見えてるよ。」





やっぱりだ。




見えてたんだ。




皐月「皆には内緒ね？(ﾆｺ」




もうすぐ日が暮れる。



夏の闇夜には、潜む妖怪が多くなる。



ニャンコ先生も居ないし、もし何かあったら、俺が皐月を…



相当な妖力を持っている。そして使いこなせている。




あの言葉、本当なんだろうか。



皐月「あ、見て見て！お祭りやってる！行こ！」


「うわあ！ちょっ！お祭りなんてやってないよ！」



いったいどこでお祭りなんてやってるんだ！



皐月「あれ…？さっき提灯の灯りが見えた気がした…ってここどこ…？」



まずいな…森の中に来てしまった



おそらく妖力の強い皐月は狙われているのであろう。



お祭りだのなんだの言ってるのは、妖怪に見せられた幻覚か…！





？『皐月…皐月ぃいいいい…！』




「！？誰だ！」



？『力が欲しいぃ...よこせ...力をよこせええええええええ！』



叫び声と一緒に現れた妖怪

この妖怪が皐月に幻覚を...

おそらく中級か…？




皐月「帰りなさい。」



ひどく冷たい声で言い放つ皐月




？『嫌だ...嫌だあああああああああ！！』


「っ！危ない！！」



皐月「はぁ...醜い妖よ。我にはむかいしその心。大地の力に制裁されるがよい！」




皐月は扇子のような物を取りだし、念じた。


地面に扇子をかざし、大きく上に振り上げると、地面が震え出した。



「なっ...なんだ？！」


皐月の扇子の周りには、土の塊のような物が舞っていて、皐月は大きく扇子をふった。




「！！！」



土の塊が妖怪めがけて銃弾...それ以上の速さで飛んでいく。




？『ぐうううううっ...うああああああああああああああああああああああ！！！』




妖怪は消え、皐月は扇子をしまっていた。



皐月「夏目君、怪我はない？」



「あ、ああ...。」

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