二話 ページ3
高杉side
高「なんで、こんな時間に外にいるんだァ?」
薄々わかっているが、敢えて聞いてみる。
俺も、結構な金持ちの間に生まれてきたからな。
「金持ち」という人種には、一通りわかってるつもりだ。
貴「その...家出...してきたんです...
お家のしきたりとか...世間体とかが...嫌になって...
鳥籠から...逃げ出したかったんです...」
俺と似た境遇にいるな...コイツ。
気に入った。
高「そうかい。また来ていいからよ。此処で、
ゆっくり羽休めていけや。」
貴「...はい…!」
ぱぁ...と。
花が舞う様に儚く、無邪気に笑うそいつ。
俺は、柄にもなくそいつに優しくしちまったみたいだ。
ま「珍しいっスね!晋助様があんな態度をとるなんて」
万「晋助殿も丸くなったという事でござるな」
高「...。」
ー5日後ー
夜零時。
何時もより明るく、騒がしい船内。
隊1「おぉ、Aちゃん、また来たかい!」
貴「はい!おじさま、今日はどんな話を聞かせてくれるのですか?」
隊1「今日はなぁ、俺が戦った天人の話を聞かせてやろう!」
隊2「盛るなよ、天人なんで倒してないくせに!」
桃園家のお嬢様、そう Aは、この鬼兵隊の戦艦の
常連(というかマドンナ的存在)になっていた。
武「Aさんですか。今日もお綺麗ですね〜」
ま「キモいっス武市ロリコン!A!今日は何して遊ぶっスか?」
貴「武市さん!また子ちゃん!今日は万斉さんの三味線を聴きに行きませんか?」
中でも親しいのは、鬼兵隊上層部である、来島や武市などだ。
そして。
みんなの前でこそあまり喋りらないが、Aと高杉は、
その来島や武市よりも、ずっと仲が良かった。
貴「!もうこんな時間!?また明日来ますね!」
ま「はいっス!また明日〜!」
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作者名:レモン煮オレ | 作成日時:2016年4月29日 23時